2015年12月8日火曜日

日本の医療システムの将来−低コストで公平な質の高い医療の維持 NEJM 2015







 4年前,日本は国民に対して低コストで,公平性を改善しながら良質な医療を達成してから50年を迎えた.1961年,高度経済成長が始まった時期,国は比較的貧しかった(GDPは英国の半分だった)が,日本は国民皆保険を成し遂げた.その後の半世紀,この制度は医療システムを成立させ続け,公平性を保ちつつ,世界的な医療の世界的外交戦略においても皆保険の原則を適用してきた.しかし現在,日本は,経済の停滞と人口の急速な高齢化および出生率の低下のために,深刻な財務上のプレッシャーに直面している−しかし,このような困難にも関わらず,日本は医療システムを維持しようと努力している.

2015年12月3日木曜日

脳卒中リハビリテーションにおけるWiiゲームを用いた仮想現実の有効性 予備的ランダム化臨床試験と原理の証明 Stroke 2010

脳卒中リハビリテーションにおけるWiiゲームを用いた仮想現実の有効性
予備的ランダム化臨床試験と原理の証明

背景と目的−上肢の機能制限を引き起こす片麻痺は脳卒中患者ではよく見られる.すでに存在するエビデンスでは脳卒中でリハ治療の強度を上げると運動回復がより良好であることが示唆されているけれども,脳卒中リハにおける仮想現実の有効性については参考になるエビデンスは限られている.
方法−この予備的ランダム化単盲検化臨床試験では発症から2ヶ月以内の脳卒中患者での2つの並行群間で,上肢の運動改善を評価するために標準的なリハビリテーションを受けている患者で任天堂Wiiを用いた仮想現実の有効性をレクリエーション療法(カード,ビンゴ,ジェンガ)と比較し,実行可能性,安全性,有効性を評価した.実行可能性の主要評価項目は介入を受けた時間の総和である.安全性の使用評価項目は研究期間中の介入に関連した有害事象を生じた患者の割合である.有効性は二次評価項目であるが,介入から4週後のWolf Motor Functional Test,Box and Block Test,Stroke Impact Scaleで評価した.
結果−全体として,スクリーニングされた患者の110人中22人(20%)がランダム化された.平均年齢(範囲)は61.3歳(41〜83歳).訓練セッション後,参加者2人が脱落した.介入がうまく実行できた患者はWii群では10人中9人,上肢のレクリエーション療法群では10人中8人だった.総セッション時間の平均はレクリエーション治療群では388分に対しWii版では364分だった(P=0.75).両群とも重篤な有害事象はなかった.レクレーション療法群と比べて.Wii群の参加者は,7秒間の運動機能の平均が,年齢,機能状態の基礎値(Wolf Motor Function Test),脳卒中重症度を調整しても有意に改善していた(Wolf Motor Function Test, 7.4秒;95%信頼区間−14.5〜−ー0.2).

結論−仮想現実の初ゲーム機は安全で実行可能であり,脳卒中後のリハ治療を促進し,運動回復を促すための有効な代替手段として有望である.