2016年4月5日火曜日

脳卒中後の感覚運動機能のFugl-Meyer Assessment 実地臨床と臨床試験のための標準化された訓練手順 Stroke2011

脳卒中後の感覚運動機能のFugl-Meyer Assessment
実地臨床と臨床試験のための標準化された訓練手順













背景と目的−多施設・ランダム化・臨床試験での施設内および施設間の帰結評価の忠実性は,試験の有意義な結果のために必要不可欠な要素である.実用性を持ちえるランダム化臨床試験のために作られた手法は実地臨床においても同様に重要である.Fugl-Meyer Assessmentの運動項目と感覚項目全体のために標準化された評価法と評価者の研修プログラムが作られた;検者間信頼性が用いて,プログラムの有効性を評価した.
方法−片麻痺患者15人,地域の臨床施設5施設から訓練されたPT17人,評価の専門家1人が,Fugl−Meyer Assessment運動項目(総合,上肢と下肢の下位スコア)と感覚項目(総合,触覚と固有覚の下位スコア)の検者間信頼性の研究に参加した.
結果−評価の専門家の検者内信頼性は運動項目・感覚項目で高かった(0.95-1.0).専門家とPTの間で運動項目(総合0.98;上肢0.99;下肢0.91)および感覚項目(総合0.93;触覚0.87;固有覚0.96)で,検者間一致は高かった(級内相関系数2.1).
結論−多施設・リハビリテーション・ランダム化・臨床試験のための標準化された評価法とセラピストの研修によって,Fugl-Meyer Assessment運動項目・感覚項目の高い検者間信頼性が得られた.脳卒中後の感覚運動の障害重症度が,このような方法で実地診療およびリハビリテーション研究で信頼性を持って評価できる.



2016年1月18日月曜日

ループ型経鼻胃管栄養は脳卒中後嚥下障害の患者において栄養投与を改善するか?ランダム化比較試験 Age and Aging 2010

ループ型経鼻胃管栄養は脳卒中後嚥下障害の患者において栄養投与を改善するか?ランダム化比較試験












背景:経鼻胃管栄養は脳卒中後によく用いられるが,はずれやすさによって有効性には限界がある.
目的:この研究の目的は,嚥下障害のある脳卒中急性期患者におけるループ型経鼻胃管栄養を評価することである.
方法:これは英国の3つの脳卒中ユニットで経鼻胃管で栄養された脳卒中急性期患者104人でのランダム化比較対照試験である.経鼻胃管は鼻ループ(51人)か従来の粘着テープ(53人)を用いて固定された.主要評価項目は,ランダム化から2週間の経鼻胃管投与で処方された栄養と水分の割合である.二次評価項目は2週間での経鼻胃管挿入の頻度,治療の失敗,耐用性,有害事象,費用;3ヶ月時点での在院日数,住環境,Barthel Indexである.
結果:ループ型経鼻胃管に割り当てられた参加者はコントロールと比べて,平均17%(95%信頼区間5〜28%)多い水分と栄養を投与され,要したチューブが少なく(中央値1vs4),電解質異常が少なかった.ループ群では軽微な鼻の外傷がより多かった.3ヶ月目の評価項目には差がなかった.ループ型経鼻胃管はコントロールよりも2週間での医療費が患者あたり£88高かった.

結論:ループ型経鼻胃管栄養は,投与できる栄養と水分を改善させ,チューブの再挿入が少なく,追加となる費用はわずかだった.

2015年12月8日火曜日

日本の医療システムの将来−低コストで公平な質の高い医療の維持 NEJM 2015







 4年前,日本は国民に対して低コストで,公平性を改善しながら良質な医療を達成してから50年を迎えた.1961年,高度経済成長が始まった時期,国は比較的貧しかった(GDPは英国の半分だった)が,日本は国民皆保険を成し遂げた.その後の半世紀,この制度は医療システムを成立させ続け,公平性を保ちつつ,世界的な医療の世界的外交戦略においても皆保険の原則を適用してきた.しかし現在,日本は,経済の停滞と人口の急速な高齢化および出生率の低下のために,深刻な財務上のプレッシャーに直面している−しかし,このような困難にも関わらず,日本は医療システムを維持しようと努力している.

2015年12月3日木曜日

脳卒中リハビリテーションにおけるWiiゲームを用いた仮想現実の有効性 予備的ランダム化臨床試験と原理の証明 Stroke 2010

脳卒中リハビリテーションにおけるWiiゲームを用いた仮想現実の有効性
予備的ランダム化臨床試験と原理の証明

背景と目的−上肢の機能制限を引き起こす片麻痺は脳卒中患者ではよく見られる.すでに存在するエビデンスでは脳卒中でリハ治療の強度を上げると運動回復がより良好であることが示唆されているけれども,脳卒中リハにおける仮想現実の有効性については参考になるエビデンスは限られている.
方法−この予備的ランダム化単盲検化臨床試験では発症から2ヶ月以内の脳卒中患者での2つの並行群間で,上肢の運動改善を評価するために標準的なリハビリテーションを受けている患者で任天堂Wiiを用いた仮想現実の有効性をレクリエーション療法(カード,ビンゴ,ジェンガ)と比較し,実行可能性,安全性,有効性を評価した.実行可能性の主要評価項目は介入を受けた時間の総和である.安全性の使用評価項目は研究期間中の介入に関連した有害事象を生じた患者の割合である.有効性は二次評価項目であるが,介入から4週後のWolf Motor Functional Test,Box and Block Test,Stroke Impact Scaleで評価した.
結果−全体として,スクリーニングされた患者の110人中22人(20%)がランダム化された.平均年齢(範囲)は61.3歳(41〜83歳).訓練セッション後,参加者2人が脱落した.介入がうまく実行できた患者はWii群では10人中9人,上肢のレクリエーション療法群では10人中8人だった.総セッション時間の平均はレクリエーション治療群では388分に対しWii版では364分だった(P=0.75).両群とも重篤な有害事象はなかった.レクレーション療法群と比べて.Wii群の参加者は,7秒間の運動機能の平均が,年齢,機能状態の基礎値(Wolf Motor Function Test),脳卒中重症度を調整しても有意に改善していた(Wolf Motor Function Test, 7.4秒;95%信頼区間−14.5〜−ー0.2).

結論−仮想現実の初ゲーム機は安全で実行可能であり,脳卒中後のリハ治療を促進し,運動回復を促すための有効な代替手段として有望である.

2015年10月29日木曜日

嚥下障害の患者における肺炎予防のための脳卒中後の予防的抗菌薬(STROKE-INF):前向き・クラスターランダム化・オープンラベル・エンドポイント秘匿化・比較対照臨床試験 Lancet 2015

 嚥下障害の患者における肺炎予防のための脳卒中後の予防的抗菌薬(STROKE-INF):前向き・クラスターランダム化・オープンラベル・エンドポイント秘匿化・比較対照臨床試験

まとめ
背景 脳卒中後の肺炎は死亡や機能予後不良と関連する.この研究では,急性脳卒中後の嚥下障害の患者における肺炎を減少させるための抗菌薬予防投与の有効性を評価した.

方法 我々は,イギリスの脳卒中ユニット48施設から募集した新規の脳卒中後の嚥下障害のある18歳以上の患者で,マスクしたエンドポイントを評価した前向き・多施設・クラスターランダム化・オープンラベル比較対照試験を行った.これらの施設はイギリスのNatioval Stroke Audit(国立脳卒中監査?)で認可され,対象となった施設とした.抗菌薬の禁忌のある患者,元々嚥下障害のあった患者,既知の感染症,14日以上の生存が予測されない患者は除外した.我々は,脳卒中ユニットを1:1に分け,脳卒中発症から48時間以内にユニットに入院した患者に関して,標準的脳卒中ユニットの治療に加え7日間の予防的抗菌薬を処方するユニットと標準的脳卒中ユニットの治療のみユニットに分けた.入院施設と専門家の治療へのアクセスによる最小限の階層化を行ったランダム化した.評価と解析を行う患者とスタッフは脳卒中ユニットの割当は盲検化された.主要評価項目は,脳卒中発症から14日以内の脳卒中後の肺炎で,治療企図解析において,診断基準に基いた階層的アルゴリズムと臨床医の診断で評価した.安全性も治療企図解析で評価した.この試験は新奇の参加者には公開しておらず,isrctn.comに登録した.

知見 2008年8月21日から2014年5月17日の間に,脳卒中ユニット48施設(ユニットに1224人の患者が入院)を2つの治療群に割り当てた.24施設が抗菌薬,24施設が標準的治療単独(コントロール)である.11ユニットで7人の患者がランダム化から14日目までに脱落し,治療解析には37施設1217人が残った(抗菌薬群615人,コントロール602人).予防的抗菌薬は,アルゴリズムで判定した脳卒中後の肺炎発生率には影響しなかった(抗菌薬群564人中71人(13%) 対 コントロール群524人中52人(10%),限界調整オッズ比1.12[95%信頼区間0.71〜2.08],p=0.489,級内相関係数0.06[95%信頼区間0.02〜0.17]).アルゴリズムで判定した脳卒中後の肺炎は129人(10%)の患者でデータがないために確認できなかった.さらに,我々は,臨床医の診断による脳卒中後の肺炎の群間の差をみとめなかった(615人中101人(16%) 対 602人中91人(15%),調整オッズ比1.01[95%信頼区間0.61-1.68],p=0.957,級内相関系数0.08[95%信頼区間0.03-0.21]).もっとも多かった有害事象は脳卒中後の肺炎とは無関係の感染症(主に尿路感染)で,抗菌薬群の方が少なかった(615人中22人(4%) 対 602人中45人(7%),オッズ比0.55[95%信頼区間0.32-0.92],p=0.02).Clostridium difficile陽性の下痢は抗菌薬群に2%(<1%),コントロール群に4人(<1%)みられ,MRSAのコロニー形成は抗菌薬群11人(2%),コントロール群14人(2%)にみられた.

解釈 脳卒中ユニットで治療中の脳卒中の嚥下障害の患者において脳卒中後肺炎の予防をための抗菌薬投与は推奨されない.

2015年10月11日日曜日

急性期軽症脳卒中および一過性脳虚血発作におけるクロピドグレルとアスピリンの併用 N Engl J Med 2013

急性期軽症脳卒中および一過性脳虚血発作におけるクロピドグレルとアスピリンの併用





















背景
脳卒中は,一過性脳虚血発作(TIA)や軽症脳梗塞から最初の数週の間によく生じる.クロピドグレルとアスピリンの併用はアスピリン単独よりも続発する脳卒中に対する予防効果が大きいかもしれない.

方法
中国の114センターで行われたランダム化・二重盲検化・プラセボ比較対照試験を,中国の114センターで,我々は軽症脳梗塞またはTIAの発症から24時間以内の患者5170人を,クロピドグレルとアスピリンの併用(クロピドグレルは初回300mgでその後75mg/日で90日間,アスピリンは75mg/日で最初の21日),またはアスピリン単独(75mg/日で90日)にランダムに振り分けた.すべたの患者が初日に医師が決めた量のアスピリン(75mg〜300mg)をオープンラベルで服用した.主要評価項目は,治療企図解析での観察期間90日以内の脳卒中(梗塞か出血)である.治療ごとの差を研究センターで変量効果としてCox比例ハザードモデルを用いて評価した.

結果
脳卒中はクロピドグレル−アスピリン群では8.2%に生じ,アスピリン群では11.7%に生じた(ハザード比0.68;95%信頼区間0.57〜0.81;P<0.001).中等度〜重度の出血がクロピドグレル−アスピリン群では7人(0.3%),アスピリン群では8人(0.3%)に生じ(P=0.73),各群の出血性梗塞の割合は0.3%だった.

結論
TIAまたは軽症脳卒中で症状出現から24時間以内に治療された患者では,クロピドグレルとアスピリンの併用は,アスピリン単独よりも,最初の90日間の脳卒中のリスクを軽減し,出血のリスクを増大させなかった.

2015年9月29日火曜日

脳卒中に対する超早期リハビリテーション試験(AVERT) 第Ⅱ相 安全性と実効可能性  Stroke 2008



脳卒中に対する超早期リハビリテーション試験(AVERT)
第Ⅱ相 安全性と実効可能性



背景と目的−超早期リハビリテーションは離床を重視しており,脳卒中後の予後改善に寄与するかもしれない.我々は超早期リハプロトコルは安全で実行可能だろうという仮説を立てた.
方法−我々は評価項目の評価を盲検化したランダム化・比較対照試験を行った.メルボルンの2つの脳卒中ユニットで脳卒中発症から24時間以内の患者を対象とした.患者は標準的治療または標準的治療+超早期離床を,退院または14日間(どちらか早い方)まで受けるようにランダムに割り当てられた.安全性の主要評価項目は3ヶ月時点での死亡である.実効可能性の主要評価項目は超早期離床において実施できた離床の“量”が多いことである.安全性の二次評価項目は,有害事象(転棟や早期の神経学的な増悪),身体モニタリングでのコンプライアンス,介入後の患者の疲労である.実効可能性の二次評価項目は標準的治療の“混入”である.
結果−全体として,スクリーニングされた患者の18%が基準に合致していた.71人が対象となり,ランダムに割り当てられ,12ヶ月で2人が脱落した.多くは脳梗塞(87%)だった.年齢の平均±SDは74.7±12.5歳,NIH Stroke Scale>7が58%(41人)だった.群間で死亡数に有意差はなかった(標準治療3/33,超早期離床8/38).死亡はほぼすべてが重症脳卒中の患者であった.安全性の二次評価項目は群間で同等だった.介入プロトコルの提供は成功しており,超早期離床の量的な目標(標準的治療の倍,P=0.003)を達成し,初回の離床までの時間が短かった(P<0.001).
結論−脳卒中急性期の24時間の患者の超早期離床は安全で実行可能だろう.介入の有効性と費用対効果は,現在,大規模ランダム化比較対照試験でテストされている.