2017年5月2日火曜日

脳卒中後の運転能力:評価と回復 Neurologia 2014

 
脳卒中後の運転能力:評価と回復
















抄録
緒言:脳卒中後の運転能力は,自立の象徴として多くの著者によって認識されてきた.そして,適切な社会再統合と密接に関連している.しかしながら,脳卒中に罹患した患者の運転能力を誰がどのように評価すべきなのかははっきりしていない.神経リハビリテーションは,脳卒中に罹患した患者に改善をもたらすことができる.したがって,患者は適切な神経リハプログラムの最後に運転を再開できる.
この記事の目的は,運転能力を評価するための方法論と患者の運転能力を回復するために適用される治療法について現在のエビデンスを紹介するための文献的レビューを提示することである.
開発:文献検索は,1993年から2011年の間の期間について,種々のデータベースで行った.研究は運転能力を評価する方法と神経リハの評価法に基いて別々に解析した.
結論:脳卒中患者の運転能力に少しでも疑いがあるなら,患者は適切に評価されるべきである.文献にしたがって,このよう患者を評価する適切な方法は,路上の評価につれていくことのできる人を決定できるような多職種での評価を用いることである.現在,用いられている神経リハ訓練は脳卒中患者の運転能力を改善できるかもしれない.

2017年4月3日月曜日

脳卒中後の気管切開患者における咽頭・喉頭運動へのカニューレ抜去の影響  Ann Rehabil Med 2012

脳卒中後の気管切開患者における咽頭・喉頭運動へのカニューレ抜去の影響












目的 嚥下造影検査の定量解析によって,嚥下中の舌骨と喉頭の運動に対する気管切開チューブの影響を調べること.
方法 気管切開のある成人脳卒中患者19人で,参加したカニューレ抜去の基準を満たした症例.カニューレ抜去の14日前,抜去前24時間以内,抜去後24時間以内,抜去から14日間後に,嚥下造影検査を行った.咽頭通過時間,stage transition duration,最大舌骨運動,最大喉頭隆起運動といった運動学的パラメータは嚥下造影検査の二次元解析から得た.
結果 咽頭通過時間とstage transition durationはすべての時間で有意な変化はなかった.カニューレ抜去直後の最大舌骨運動と最大喉頭隆起は,カニューレ抜去直前と比べ有意に改善し(p<0.05),とくに垂直運動が有意だった.
結論 嚥下中の気管切開チューブが舌骨と喉頭の運動を阻害するという仮説が,この研究で支持されたかもしれない.


2017年3月24日金曜日

気管切開患者の嚥下障害:カニューレ抜去プロトコルにおける学際的/多職種共同アプローチ Multidiscip Respir Med 2014










気管切開患者の嚥下障害:カニューレ抜去プロトコルにおける学際的/多職種共同アプローチ











抄録
気管切開カニューレの安全な抜去は,機械的な補助から漸増的に自立を獲得して呼吸器合併症のリスクを低減するために,気管切開患者のリハビリテーションにおける主要なゴールである.気管切開カニューレはまた,患者にとっては大いに不快であり,言語的コミュニケーションを困難にするかもしれない.とくにカフがあると,気管切開カニューレは,喉頭の正常な運動を減弱する.これにより,基本的な嚥下の防御機能をさらに弱体化するだろう.回復可能な呼吸器と発声能力,嚥下能力,摂食能力の密接な関係から,リハビリテーションチームの種々の専門職の徹底した協力が勧められる.気管切開カニューレの適切な管理は,重篤な呼吸器合併症や栄養合併症の発生を制限するために,嚥下障害の評価と治療と密接に関連している.さらに,いくつかの研究で,カニューレ抜去のための必要不可欠な基準として,患者の覚醒度が良好であることを報告している.覚醒度はしばしば気管切開患者では障害されているが,一般的な一致した意見は存在しない.

2017年3月16日木曜日

くも膜下出血患者の低ナトリウム血症に対するハイドロコルチゾンのランダム化比較試験 Stroke 2007

くも膜下出血患者の低ナトリウム血症に対するハイドロコルチゾンのランダム化比較試験












背景と目的−低ナトリウム血症は,くも膜下出血(SAH)後に頻出する.これはナトリウム利尿に原因があり,それによって浸透圧利尿を生じ,血液量が減少し,症候性脳血管攣縮を生じる.脳血管攣縮を予防するための容量負荷療法は,この状態では効率がよくない.我々は,ハイドロコルチゾンの有効性を評価するためのランダム化比較試験を行った.ハイドロコルチゾンは腎臓でのナトリウム保持を促進する.
方法−SAH患者71人を,手術後にランダムにプラセボ(36人)またはハイドロコルチゾン1200mg/日(35人)10日間とその後の漸減での治療に割り当てた.両群とも容量負荷療法を行った.主要エンドポイントは低ナトリウム血症の予防とした.
結果−ハイドロコルチゾンは過度のナトリウム排泄を予防し(P=0.04),多尿を予防した(P=0.04).ハイドロコルチゾンは14日間の間,目標の血清ナトリウム値を維持し(P<0.001),より少量のナトリウムと液体で維持プロトコルを達成できた(P=0.007).脳血管攣縮は,プラセボ群では9人(25%).ハイドロコルチゾン群では5人(14%)に生じた.2群間で全体的な予後には有意差はなかった.

結論−ハイドロコルチゾンは,過度のナトリウム利尿を克服し,低ナトリウム血症を予防した.予後には差はなかったが,ハイドロコルチゾンは効率的な容量負荷療法を補助する.

2017年2月19日日曜日

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脳卒中後の機能回復の促進する筋力増強訓練:エビデンスに基づいたレビュー  Top Stroke Rehabil 2008


脳卒中後の機能回復の促進する筋力増強訓練:エビデンスに基づいたレビュー










背景:脳卒中後には患者は重大な障害を受ける.しかしながら,筋力低下は主たる共通の病態である.歴史的に,筋力増強訓練を含む高度に努力性の活動は痙縮を増悪させるとの懸念から,筋力増強訓練や高強度の抵抗訓練は神経リハビリテーションから排除されてきた.現在の研究はこの前提を克服する.方法:エビデンスに基づいたレビューを行って,高強度抵抗訓練が脳卒中患者において痙縮を増悪させることなく筋力低下を改善させるかどうか,抵抗訓練が従来のリハ介入プラグラムと比べて機能予後改善に有効かどうかを判定した.十分なデータがある場合は,コントロールのイベント発生率(CER; control event rate),治療群のイベント発生率(EER; experimental event rate),絶対リスク軽減率(ARR: absolute risk reduction),治療必要症例数(NNT; number needed to treat),相対利益増加率(RBI; relative benefit increase),絶対利益増加率(ABI; absolute benefit increase),相対危険度(RR; relative risk)といった治療効果を計算した.結果:11研究が基準を満たした.エビデンスレベルは可(fair)から強(strong)(3B〜1B)だった.結論:長期的な追跡調査のデータには限界があるものの,抵抗訓練が,痙縮を増悪させることなく,筋力増強,歩行速度向上,機能予後向上をもたらし,QOLを改善するというエビデンスがあった.キーワード:cerebrovascular accident(脳血管疾患),rehabilitation(リハビリテーション),resistance training(抵抗訓練),strength(筋力), stroke(脳卒中)


2017年1月28日土曜日

気管切開のある脳卒中患者の嚥下機能と運動学 Dysphagia 2016


気管切開のある脳卒中患者の嚥下機能と運動学
抄録 この研究の目的は,気管切開のある脳卒中患者と気管切開のない脳卒中患者で嚥下機能とu運動学を比較することである.この後方視的対応症例対照研究で,我々は気管切開のある脳卒中患者(TRACH群24人)と気管切開のない脳卒中患者(NO-TRACH群24人)を比較した.我々は,年齢,性別,脳卒中の病型を対応させた.嚥下機能は,嚥下造影から得た嚥下造影嚥下障害スケール(VDS; videofluoroscopic dysphagia scale)と機能的経口摂取スケール(FOIS; functional oral intake scale)を用いて評価した.嚥下の運動学は,TRACH群の嚥下造影の二次元運動解析を用いて評価した.気管切開の期間は平均132.38±150.46日だった.VDSの合計点は,TRACH群(35.17±15.30),NO-TRACH群(29.25±16.66)で有意差はなかった(p=0.247).FOISは,TRACH群(2.33±1.40)で,NO-TRACH群(4.33±1.79)よりも有意に低かった(p=0.001).TRACH群では,NO-TRACH群に比べ,喉頭の最大垂直偏位(15.23±7.39mm vs 20.18±5.70mm, p=0.011),最大速度(54.99±29.59mm/s vs 82.23±37.30mm/s, p=0.011),最大二次元速度(61.07±24.89mm/s vs 84.40±36.05mm/s, p=0.013)が有意に低かった.TRACH群の舌骨の最大水平速度(37.66±16.97mm/s)もNO-TRACH群(47.49±15.73, p=0.032)よりも有意に低かった.この研究から,気管切開のある脳卒中患者は気管切開のない脳卒中患者よりも嚥下機能と嚥下の運動学が低下していることが示された.脳卒中患者における嚥下の回復への気管切開の影響を明らかにするには前方視的経時的研究が必要である.