脳卒中に対する超早期リハビリテーション試験(AVERT)
第Ⅱ相 安全性と実効可能性
背景と目的−超早期リハビリテーションは離床を重視しており,脳卒中後の予後改善に寄与するかもしれない.我々は超早期リハプロトコルは安全で実行可能だろうという仮説を立てた.
方法−我々は評価項目の評価を盲検化したランダム化・比較対照試験を行った.メルボルンの2つの脳卒中ユニットで脳卒中発症から24時間以内の患者を対象とした.患者は標準的治療または標準的治療+超早期離床を,退院または14日間(どちらか早い方)まで受けるようにランダムに割り当てられた.安全性の主要評価項目は3ヶ月時点での死亡である.実効可能性の主要評価項目は超早期離床において実施できた離床の“量”が多いことである.安全性の二次評価項目は,有害事象(転棟や早期の神経学的な増悪),身体モニタリングでのコンプライアンス,介入後の患者の疲労である.実効可能性の二次評価項目は標準的治療の“混入”である.
結果−全体として,スクリーニングされた患者の18%が基準に合致していた.71人が対象となり,ランダムに割り当てられ,12ヶ月で2人が脱落した.多くは脳梗塞(87%)だった.年齢の平均±SDは74.7±12.5歳,NIH Stroke Scale>7が58%(41人)だった.群間で死亡数に有意差はなかった(標準治療3/33,超早期離床8/38).死亡はほぼすべてが重症脳卒中の患者であった.安全性の二次評価項目は群間で同等だった.介入プロトコルの提供は成功しており,超早期離床の量的な目標(標準的治療の倍,P=0.003)を達成し,初回の離床までの時間が短かった(P<0.001).
結論−脳卒中急性期の24時間の患者の超早期離床は安全で実行可能だろう.介入の有効性と費用対効果は,現在,大規模ランダム化比較対照試験でテストされている.