2023年10月24日火曜日

脳卒中片麻痺の患者における歩行パターンに対するWelwalkを用いた歩行訓練の効果:横断的研究 Front Neurorobot 2023

 

脳卒中片麻痺の患者における歩行パターンに対するWelwalkを用いた歩行訓練の効果:横断的研究















緒言:我々は,脳卒中片麻痺の患者におけるWelwalkを用いたロボット支援歩行訓練と装具を用いた歩行訓練の間の違いを比較することによって,Welwalkを用いた歩行訓練効果を調べることを目的とした.

方法:この研究は装具を用いた地上での歩行訓練にWelwalkでの歩行訓練を行った脳卒中片麻痺患者23人を対象とした.それぞれの参加者について2つの条件下でトレッドミル上で三次元動作解析を行った:Welwalkでの歩行訓練中と装具での歩行訓練中である.時間・空間パラメータと歩行パターンを2つの条件の間で比較した.

結果:Welwalkm条件では装具条件と比べて,障害側のステップ長が有意に長く,ステップ幅が有意に広く,障害側の片脚支持期の比が有意に高かった.異常歩行パターンの指標の値はWelwalkを使用している最中は装具条件よりも有意に低かった.Welwalk条件では以下の4つの指標が低かった:体側の伸び上がり歩行,不十分な膝屈曲,麻痺側の遊脚相での股関節の過度の外旋,麻痺側の前足部接地.

考察:Welwalkを用いた歩行訓練は,短下肢装具を用いた歩行訓練と比べて異常な歩行パターンを抑制して,障害側のステップ長,ステップ幅,片脚支持期を増大させる.この研究から,Welwalkを用いた歩行訓練が異常な歩行パターンを抑制したより効率的な歩行パターンの再獲得を促進するかもしれないことが示唆される.

2023年10月20日金曜日

回復期脳卒中患者における機能的電気刺激の効果:多施設ランダム化比較対照試験 J Clin Med 2023


回復期脳卒中患者における機能的電気刺激の効果:多施設ランダム化比較対照試験














抄録:背景:我々はWalkAide®︎が,下垂足のある脳卒中後の患者の歩行能力と下肢機能を有効に改善することができるかどうかを評価した.患者は20〜80歳で,初回脳卒中から6ヶ月以内で,機能的歩行分類3または4を候補とした.対象と方法:患者は,1:1の比でランダムに機能的電気刺激(FES; Functional Electrical Stimulation)と対照群に割り付けられた.FES群では,WalkAideを用いた40分の訓練プログラムを,週5回,8週間追加した.対照群はFESのない40分の訓練プログラムを行なった.結果:合計203人の患者がFES群(102人)と対照群(101人)に割り付けられた.介入を受けられなかったり,データが利用できなかったりした患者は除外した.最終的に,184人の患者(各群92人)を解析した.6分間歩行の最大距離(主要評価項目)は,FES群では68.37±62.42m,対称群では57.50±68.17mだった(差:10.86m;95%信頼区間-8.26〜29.98, p=0.26).結論:日本人の下垂足のある脳卒中後の患者では,回復期において,FESは6分間歩行距離を有意に改善しなかった.