2017年3月24日金曜日

気管切開患者の嚥下障害:カニューレ抜去プロトコルにおける学際的/多職種共同アプローチ Multidiscip Respir Med 2014










気管切開患者の嚥下障害:カニューレ抜去プロトコルにおける学際的/多職種共同アプローチ











抄録
気管切開カニューレの安全な抜去は,機械的な補助から漸増的に自立を獲得して呼吸器合併症のリスクを低減するために,気管切開患者のリハビリテーションにおける主要なゴールである.気管切開カニューレはまた,患者にとっては大いに不快であり,言語的コミュニケーションを困難にするかもしれない.とくにカフがあると,気管切開カニューレは,喉頭の正常な運動を減弱する.これにより,基本的な嚥下の防御機能をさらに弱体化するだろう.回復可能な呼吸器と発声能力,嚥下能力,摂食能力の密接な関係から,リハビリテーションチームの種々の専門職の徹底した協力が勧められる.気管切開カニューレの適切な管理は,重篤な呼吸器合併症や栄養合併症の発生を制限するために,嚥下障害の評価と治療と密接に関連している.さらに,いくつかの研究で,カニューレ抜去のための必要不可欠な基準として,患者の覚醒度が良好であることを報告している.覚醒度はしばしば気管切開患者では障害されているが,一般的な一致した意見は存在しない.

2017年3月16日木曜日

くも膜下出血患者の低ナトリウム血症に対するハイドロコルチゾンのランダム化比較試験 Stroke 2007

くも膜下出血患者の低ナトリウム血症に対するハイドロコルチゾンのランダム化比較試験












背景と目的−低ナトリウム血症は,くも膜下出血(SAH)後に頻出する.これはナトリウム利尿に原因があり,それによって浸透圧利尿を生じ,血液量が減少し,症候性脳血管攣縮を生じる.脳血管攣縮を予防するための容量負荷療法は,この状態では効率がよくない.我々は,ハイドロコルチゾンの有効性を評価するためのランダム化比較試験を行った.ハイドロコルチゾンは腎臓でのナトリウム保持を促進する.
方法−SAH患者71人を,手術後にランダムにプラセボ(36人)またはハイドロコルチゾン1200mg/日(35人)10日間とその後の漸減での治療に割り当てた.両群とも容量負荷療法を行った.主要エンドポイントは低ナトリウム血症の予防とした.
結果−ハイドロコルチゾンは過度のナトリウム排泄を予防し(P=0.04),多尿を予防した(P=0.04).ハイドロコルチゾンは14日間の間,目標の血清ナトリウム値を維持し(P<0.001),より少量のナトリウムと液体で維持プロトコルを達成できた(P=0.007).脳血管攣縮は,プラセボ群では9人(25%).ハイドロコルチゾン群では5人(14%)に生じた.2群間で全体的な予後には有意差はなかった.

結論−ハイドロコルチゾンは,過度のナトリウム利尿を克服し,低ナトリウム血症を予防した.予後には差はなかったが,ハイドロコルチゾンは効率的な容量負荷療法を補助する.