2018年6月24日日曜日

両側声帯麻痺:皮質脳梗塞のまれな遅発合併症 Neth J Crit Care 2017











両側声帯麻痺:皮質脳梗塞のまれな遅発合併症














抄録

脳卒中患者における声帯麻痺はまれな症状であり,大脳皮質や迷走神経の反回喉頭神経分枝を供給する脳幹の領域が損傷されたときに生じる.運動皮質を障害する脳卒中では,通常は声帯麻痺は生じない.というのも,迷走神経核は,脳の両側から皮質延髄路に神経支配を受けているからである.我々は,発症から8日目に生じた左前頭−頭頂–島皮質の梗塞による突然発症の両側声帯麻痺という独特な症例を提示する.

2018年6月11日月曜日

急性脳梗塞における声帯麻痺 Cerebrovasc Dis 1999

急性脳梗塞における声帯麻痺






















抄録

我々は,初回急性脳梗塞における声帯麻痺の発生率を前方視的に判定した.脳卒中発症から48時間以内,1週目,1ヶ月目に内視鏡で声帯を観察した.研究の症例54例のうち,ラクナ梗塞64.8%(グループ1),皮質/広範皮質下22.2%(グループ2),延髄外側9.3%(グループ3),その他の脳幹3.7%(グループ4)の梗塞だった.声帯麻痺は11例(20.4%)にみとめた.グループ1では11.4%,グループ2では16.4%,グループ3では100%,グループ4では0%である.声帯麻痺は,グループ1とグループ2では脳病変と対側,グループ3では同側だった.声帯麻痺は,発声障害と強く関連し(p<0.0001),1週後に消失したのは11人中2人,1ヶ月後に消失したのは11人中5人だった.急性脳梗塞の患者における声帯麻痺の我々の知見は,疑核が常に核上の中枢から両側性に神経支配されているという見解に疑問を投げかけるものである.

2018年6月7日木曜日

声帯麻痺と喘鳴の原因となる延髄外側症候群 Journal of Intensive Care Society 2007

声帯麻痺と喘鳴の原因となる延髄外側症候群



延髄出血に続発した延髄外側症候群によって,挿管と機械換気を必要とするような呼吸不全を引き起こした片側声帯麻痺の63歳の症例を報告する.患者は,神経学的リハビリテーション後に完全回復し,1ヶ月後に自宅退院した.中枢性に生じた声帯麻痺は喘鳴のまれな原因であるが,他の原因が見つからない症例では疑うべきである.

2018年6月6日水曜日

相互作用における臨床,科学,統治:物理医学とリハビリテーション医学における国際生活機能分類(ICF)のシステム全体にわたる実践のためのヨーロッパでの取り組み Eur J Phys Rehabil Med 2017

相互作用における臨床,科学,統治:物理医学とリハビリテーション医学における国際生活機能分類(ICF)のシステム全体にわたる実践のためのヨーロッパでの取り組み 


抄 録
2001年の開始から,関連する物理医学とリハビリテーション医学の国際団体,地域団体,国内団体は物理医学とリハビリテーション医学における国際生活機能分類(ICF)の実践を目標としてきた.それによって,適切で実用的なツールの開発に貢献してきた.このようなツールは,日常的な実地診療や標準化された機能の報告,質の管理や研究における結果,エビデンスの情報に基づく政策にICFを実践するために利用可能である.教育的な試みによって,物理医学とリハビリテーション医学(PRM; Physical and Rehabilitation Medicine)の医師や他のリハビリテーション専門職たちのICFの知識が再強化され,数多くの実施計画で,ICFが実地診療,研究,政策においてどのように適用されているかが調査された.これでも国の医療システムのリハビリテーションサービス全体にわたる日常診療におけるICFノシステム全体に及ぶような実践が大いに欠けていた.ヨーロッパでは,システム全体にわたるICFの実施には,診療・科学・統治の間の相互作用が必要である.この委任を考慮して,ヨーロッパ医療専門職連合(UEMS; European Union of Medical Specialists)のPRMの委員会は,PRM,リハビリテーション,医療全体において,また,統治機構や非政府組織,民間部門との相互作用において,システム全体にわたるICFの実戦に向けてのヨーロッパでの取り組みを導くことを決定し,国際リハビリテーション学会のWHOへの協力計画と同じ立場をとった.この記事では,我々は,システム全体にわたるICF実戦に向けた現時点のPRMの内部・対外的方針アジェンダと,対応した行動計画を提示する.さらに,優先行動段階を明確にする−国内の質の管理と保険プログラムにおけるICFに基づいた標準化された報告法,医療に関連したリハビリテーションにおけるサービスの組織化のためのICFを用いた明確なリハビリテーションサービスの説明,ICFへのデータの質的連携と定量的マッピング,ヨーロッパの言語群におけるICF臨床データ収集ツールの文化的適応である.