2019年3月26日火曜日

二重課題運動は,脳卒中後の歩行と転倒における認知−運動干渉を減少させる ランダム化比較対照試験 Stroke2018


二重課題運動は,脳卒中後の歩行と転倒における認知−運動干渉を減少させる
ランダム化比較対照試験



背景と目的−地域での機能的歩行には,移動と認知の課題を同期的に行う能力(二重課題の遂行)が必要である.この単盲検化ランダム化比較対照試験は,脳卒中慢性期患者における二重課題訓練の効果を調べることである.
方法−脳卒中慢性期患者84人(女性24人;年齢t61.2±6.4歳;脳卒中発症からの期間75.3±64.9ヶ月)で,運動障害は軽度から中等後(Chedoke-McMaster下肢運動スコア:中央値5;四分位範囲4-6),をランダムに二重課題でのバランス/歩行訓練群と単独課題でのバランス/歩行訓練群,あるいは上肢訓練群(コントロール)に割り当てた.各群は,1週間に60分のセッションを3回行った.二重課題干渉効果は,3つの歩行テスト(前方への歩行,timed-up-and-go,障害物横断)を完了するために必要な時間と,連続3引き算と言語流暢性課題の間の正答率を測定した.二次評価項目には,Activities-specific Balance Confidence Scale,Frenchay Activities Index,Stroke specific Quality of Life Scaleとした.上記の評価項目をベースライン,訓練直後,8週間の訓練後に測定した.訓練後6ヶ月間の転倒発生率を記録した.
結果−二重課題群だけが,訓練後に歩行中の二重課題干渉の減少を示した(言語流暢性課題と併用した前方歩行[9.5%,P=0.014],連続3引き算[9.6%,P=0.035],言語流暢性課題を伴うtimed- up-and-go[16.8%,P=0.001]).二重課題における改善は8週目の追跡で概ね維持された.二重課題認知の能力は,有意な変化を示さなかった.二重課題プログラムは,6ヶ月間の追跡期間中の転倒と外傷のリスクをコントロールと比べてそれぞれ25.0%(95%信頼区間3.1%-46.9%;P=0.037),22.2%(95%信頼区間4.0%-38.4%;P=0.023)低減した.その他の二次評価項目には有意な影響はなかった.
結論−二重課題プログラムは,歩行可能で認知機能の保たれた脳卒中慢性期患者において,二重課題歩行を改善させる上で効果的であり,転倒と転倒に関連した外傷を減少させた.活動参加やQOLには有意な影響はなかった.