ループ型経鼻胃管栄養は脳卒中後嚥下障害の患者において栄養投与を改善するか?ランダム化比較試験
背景:経鼻胃管栄養は脳卒中後によく用いられるが,はずれやすさによって有効性には限界がある.
目的:この研究の目的は,嚥下障害のある脳卒中急性期患者におけるループ型経鼻胃管栄養を評価することである.
方法:これは英国の3つの脳卒中ユニットで経鼻胃管で栄養された脳卒中急性期患者104人でのランダム化比較対照試験である.経鼻胃管は鼻ループ(51人)か従来の粘着テープ(53人)を用いて固定された.主要評価項目は,ランダム化から2週間の経鼻胃管投与で処方された栄養と水分の割合である.二次評価項目は2週間での経鼻胃管挿入の頻度,治療の失敗,耐用性,有害事象,費用;3ヶ月時点での在院日数,住環境,Barthel Indexである.
結果:ループ型経鼻胃管に割り当てられた参加者はコントロールと比べて,平均17%(95%信頼区間5〜28%)多い水分と栄養を投与され,要したチューブが少なく(中央値1vs4),電解質異常が少なかった.ループ群では軽微な鼻の外傷がより多かった.3ヶ月目の評価項目には差がなかった.ループ型経鼻胃管はコントロールよりも2週間での医療費が患者あたり£88高かった.
結論:ループ型経鼻胃管栄養は,投与できる栄養と水分を改善させ,チューブの再挿入が少なく,追加となる費用はわずかだった.