2019年7月31日水曜日

放射線誘発認知毒性:成人における病態生理と毒性を軽減させるような介入 Neuro Oncol 2018

放射線誘発認知毒性:成人における病態生理と毒性を軽減させるような介入 Neuro Oncol 2018












抄録

放射線療法は,原発性脳腫瘍のある患者と同様に脳への転移の疾患のある患者の治療においてありふれたものである.しかしながら,この治療には代償が伴い,脳照射,特に全脳照射では,頻繁に認知機能低下を伴う.放射線誘発性の合併症の説明となる正確な機序は,いまだに完全にはわかっておらず,現在進行中の研究の活発な領域であり続けている.この記事では,我々は,脳照射が認知機能低下を生じさせる機序の仮説とともに治療誘発性の認知機能低下を予防し,最小限に食い止め,回復させるような有望な治療アプローチをレビューする.我々はさらに,部位に特異的な放射線誘発性変化あるいは機能的変化とその臨床的帰結との関連性を判別するために用いることができる可能性のある画像化モダリティの進歩をレビューする.

2019年7月5日金曜日

脳卒中後の患者における空間・時間的歩行特性に対する装着型外骨格型ストライド管理補助システム(SMA)の効果:ランダム化比較対照試験 J Neuroeng Rehabil2015

脳卒中後の患者における空間・時間的歩行特性に対する装着型外骨格型ストライド管理補助システム(SMA)の効果:ランダム化比較対照試験





















抄録
背景:ロボットは,脳卒中を原因とする歩行障害を治療するための反復的・高用量・高強度の訓練を提供するような,代替的で,潜在的には有利な手法である.この研究では,我々は,脳卒中後患者における空間的・時間的歩行パラメータに対するStride Management Assist (SMA) System,すなわち,Honda R&D Corporation(本田技術研究所)が開発した新しい装着型ロボット機器と機能的課題特異的訓練の効果を比較した.
方法:機能的課題特異的訓練と,SMA機器での課題特異的歩行訓練の空間的・時間的歩行パラメータに対する効果を評価するために,単盲検化ランダムか比較対照試験を行った.参加者(50人)はランダムに機能的課題特異的訓練またはSMAに割り当てた.両群における被験者は,訓練を,週3回,6-8週間,最大18セッション受けた.被験者の空間的・時間的歩行特性を,訓練前(ベースライン),訓練中,訓練後,3ヶ月後の追跡で,GAITRiteシステムを用いて収集した.
結果:訓練後,両方の訓練群で,ベースラインと比べて,歩行パラメータにおける有意な改善をみとめ,速度とケイデンスの向上,障害側の遊脚期の時間の短縮,障害側および非障害側の歩幅の増大である.訓練群に有意差はみとめなかったが,例外は,SMA群では,自己選択歩行速度の試行中の障害側の歩幅が増大したことと,早い歩行での歩行試行中の空間的非対称性が有意に減少したことである.
結論:SMAと機能的課題特異的訓練の介入は,空間的・時間的歩行パラメータに同程度の有意な改善をもたらす.しかしながら,SMA群は,いくつかの時点で,より多くのパラメータに追加的効果を示した.これらの結果から,SMA機器が,空間的・時間的パラメータを改善できるような有用な治療ツールであり,脳卒中後の患者における機能的歩行の改善に寄与できるかもしれないことが示された.在宅の環境とクリニックの環境の比較におけるこの機器の使用の実用性を判定し,在宅での使用が効果的であり続けるかどうかを判定するためにさらなる研究が必要である.
試験の登録:本研究は,”Development of walk assist device to improve community ambulation”というタイトルの下で登録され,研究の識別子:NCT01994395でclinicaltrails.govに保存されている.