2023年8月27日日曜日

脳卒中患者における機能的移動能力と日常生活動作に対する長下肢装具:症例報告のシステマティックレビュー J Rehabil Med 2022

 

脳卒中患者における機能的移動能力と日常生活動作に対する長下肢装具:症例報告のシステマティックレビュー















目的:機能的歩行能力と日常生活動作(ADL)に対する長下肢装具の有効性に関する症例報告から参照可能なエビデンスを統合すること.

方法:Population母集団 Intervention介入 Comparison比較 Outcome結果(PICO)モデルに基づいて,以下のデータベースを検索した.PubMed,CINAHL,Scopus,Coch- rane Central Register of Controlled Trials,PEDro,Web of Science,医学中央雑誌.方法論的質はCAREチェックリストを用いて評価した.

結果:15症例を含む合計14編の記事が選択された.機能的歩行能力に臨床的に意味のある改善が報告されたのは15症例中10症例で,使用された評価法は,Functional Ambulatory Category機能的歩行分類,Trunk Control Test,歩行速度,Berg Balance Scaleだった.ADLに臨床的に意味のある改善が報告されたのは15症例中9症例で,使用された評価法はBarthel Index,Functional Independence Measureだった.しかしながら,レビューされた記事の方法論的質は低く,治療の限界,有害事象,患者の報告による評価の情報がなかった.

結論:この症例報告のシステマティックレビューから,機能的歩行能力とADLにおける改善に関して,長下肢装具の有効性の低いレベルのエビデンスがみとめられた.この研究から,長下肢装具の有効性を測定するための最適な結果が示されたことは有意義なことである.