脳卒中片麻痺の患者における歩行パターンに対するWelwalkを用いた歩行訓練の効果:横断的研究
緒言:我々は,脳卒中片麻痺の患者におけるWelwalkを用いたロボット支援歩行訓練と装具を用いた歩行訓練の間の違いを比較することによって,Welwalkを用いた歩行訓練効果を調べることを目的とした.
方法:この研究は装具を用いた地上での歩行訓練にWelwalkでの歩行訓練を行った脳卒中片麻痺患者23人を対象とした.それぞれの参加者について2つの条件下でトレッドミル上で三次元動作解析を行った:Welwalkでの歩行訓練中と装具での歩行訓練中である.時間・空間パラメータと歩行パターンを2つの条件の間で比較した.
結果:Welwalkm条件では装具条件と比べて,障害側のステップ長が有意に長く,ステップ幅が有意に広く,障害側の片脚支持期の比が有意に高かった.異常歩行パターンの指標の値はWelwalkを使用している最中は装具条件よりも有意に低かった.Welwalk条件では以下の4つの指標が低かった:体側の伸び上がり歩行,不十分な膝屈曲,麻痺側の遊脚相での股関節の過度の外旋,麻痺側の前足部接地.
考察:Welwalkを用いた歩行訓練は,短下肢装具を用いた歩行訓練と比べて異常な歩行パターンを抑制して,障害側のステップ長,ステップ幅,片脚支持期を増大させる.この研究から,Welwalkを用いた歩行訓練が異常な歩行パターンを抑制したより効率的な歩行パターンの再獲得を促進するかもしれないことが示唆される.