脳卒中急性期患者における間欠的経口食道経腸栄養法–予備的研究
目的–嚥下障害のある脳卒中急性期の患者は,通常は経鼻胃管で栄養投与される.しかしながら,この方法はときに肺炎や下痢の原因となる.我々は,重症嚥下障害のある脳卒中急性期患者において,間欠的経口食道経腸栄養と呼ばれる新しい経管栄養の手技の使用を調査した.対象と方法–間欠的経口食道経腸栄養を,13人の脳卒中急性期患者(68±14歳;12人が脳幹梗塞)に使用した.患者は,覚醒良好だが重度嚥下障害があり,咽頭反射が減弱している患者であった.間欠的経口食道経腸栄養は以下のように行った.チューブは食道下部まで経口的に通過させ,栄養補助食を約50mL/分の割合でチューブから投与した.栄養剤の滴下が終わった後にチューブを抜去した.結果–間欠的経口食道経腸栄養法には以下の利点があることがわかった:(i)間欠的経口食道経腸栄養法は15分で済む;(ii)肺炎や下痢といった合併症のリスクを低下させる可能性がある;(iii)経口チューブの挿入が口腔や咽頭を刺激し,嚥下機能を改善するかもしれない.しかしながら,間欠的経口食道経腸栄養法は以下のような患者には用いるべきではない;(i)間欠的経口食道経腸栄養法の手技を理解できない;(ii)食道裂孔ヘルニアや食道蠕動運動不全のある患者,というのもこのような患者は栄養剤の逆流が口腔に入るリスクがあるからである.結論–間欠的経口食道経腸栄養法は重症嚥下障害がある脳卒中急性期患者で覚醒していたら,持続的経鼻胃管栄養法の代替手段になるかもしれない.
間欠的経口(口腔)食道経管栄養法を脳卒中急性期に使用した研究である.
間欠的経口(口腔)食道経管栄養法は,経管栄養法の一種で,栄養投与時に口からチューブを挿入して栄養後に抜くという方法である.経鼻胃管と比べて手間はかかるが,栄養中以外はチューブが固定されているストレスから解放され,患者さんにとってはメリットの大きい方法である.
この研究では,脳卒中急性期であっても症例を選べば,この栄養法が実施可能で特段の合併症もなかったことを示した.
“適切な症例の選び方”というのが肝にはなるが,急性期よりもむしろ回復機や在宅で積極的に導入すべき手法と思われる.
日本語訳は
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例:Don’t find fault, find a remedy; anybody can complain. -> Dfffaracc
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