脳卒中による痙縮の治療におけるボツリヌス毒素と,その可能性への注目
抄録:脳卒中後の痙縮は,脳卒中患者の半数にまで影響を残し,能力低下の影響をもたらして,ADL,QOL,疼痛,機能障害を低下させるように関与する.ボツリヌス毒素は,脳卒中後の局所の痙縮の治療において,安全で有効であることが証明されている.このレビューの目的は,脳卒中後の上下肢の痙縮の治療におけるボツリヌス毒素と,その可能性を確認することである.我々は,A型およびB型ボツリヌス毒素製剤の有効性に関するエビデンスをレビューし,最適な注射の手技の検討,患者や介護者の満足度,ボツリヌス毒素の潜在的な有害作用について扱う.
脳卒中後の痙縮治療におけるボツリヌス毒素製剤のレビュー.
日本で認可されていない製剤も含め,4種類の製剤(A型3製剤,B型1製剤)についてのclass II以上の文献がまとめられている.日本の治験での論文も紹介されており,下肢においては,国内の治験がかなりよいデザインで,良好な結果が得られた論文であることがわかる.
結論は概ねこれまで紹介した論文と同様で,ボツリヌス毒素療法は筋緊張軽減や可動域改善といった効果は明らかであるが,能動的機能の改善についてはこれまでのところ明確なエビデンスはない.対象の選び方と注射後の機能訓練という2つのテーマをもっと掘り下げないと,この領域でよいエビデンスを得るのは難しいだろう.
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日本語訳はこちら(パスワードは論文タイトルの頭文字をつなげてください.大文字と小文字は区別して10文字目まで).
例:A word to the wise is enough. -> Awttwie
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