2017年3月24日金曜日

気管切開患者の嚥下障害:カニューレ抜去プロトコルにおける学際的/多職種共同アプローチ Multidiscip Respir Med 2014










気管切開患者の嚥下障害:カニューレ抜去プロトコルにおける学際的/多職種共同アプローチ











抄録
気管切開カニューレの安全な抜去は,機械的な補助から漸増的に自立を獲得して呼吸器合併症のリスクを低減するために,気管切開患者のリハビリテーションにおける主要なゴールである.気管切開カニューレはまた,患者にとっては大いに不快であり,言語的コミュニケーションを困難にするかもしれない.とくにカフがあると,気管切開カニューレは,喉頭の正常な運動を減弱する.これにより,基本的な嚥下の防御機能をさらに弱体化するだろう.回復可能な呼吸器と発声能力,嚥下能力,摂食能力の密接な関係から,リハビリテーションチームの種々の専門職の徹底した協力が勧められる.気管切開カニューレの適切な管理は,重篤な呼吸器合併症や栄養合併症の発生を制限するために,嚥下障害の評価と治療と密接に関連している.さらに,いくつかの研究で,カニューレ抜去のための必要不可欠な基準として,患者の覚醒度が良好であることを報告している.覚醒度はしばしば気管切開患者では障害されているが,一般的な一致した意見は存在しない.

 気管切開カニューレ抜去のプロトコルのレビューである.
 とはいえ,具体的な文献データはあまり紹介されておらず,系統的レビューというよりは総説に近い.

 覚醒度,気道の確保,唾液の処理,有効な咳=喀痰の有無といった要件が挙げられており,目新しいものではないが,知識を整理するのにはよい文献と言える.

 興味深いのは,重症意識障害でも,詳細に評価すればカニューレ抜去は可能だとしていることである.
 確かに,頻回に肺炎を起こすとか,唾液誤嚥が多いというのでなければ,カニューレ抜去は可能であろうが,実臨床上,そのような状態で積極的にカニューレ抜去を進めることはないように思う.どちらがよいかは何とも言えないが,もしカニューレ抜去が望ましい症例があったら検討してみたい.

本文はこちらから入手できます.
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