2021年1月11日月曜日

混合食品の口腔咀嚼行動,知覚,および喫食量 Trends in Food Science & Technology 2020

 















混合食品の口腔咀嚼行動,知覚,および喫食量

抄録

背景:食摂食者が,食べ物や一口の中に,異なる組成と特性の食べ物を組み合わせることはよくある;例えば,ペースト状のものを塗ったパンやドレッシングをかけた野菜である.このような食べ物の組み合わせを混合物という.

見解とアプローチ:このナラティブレビューでは,(1)食べ物の小片への付加,(2)随伴する食べ物の付加が,咀嚼行動や感知覚,混合食品の摂取にどのように影響するに着目している.診療への示唆,知識のギャップ,将来の展望も議論する.

重要な知見:混合食品の口腔咀嚼行動は,単独の食物の特性を変えることで調節できる.小片を追加すること,随伴する食物を追加すること,単独の食物の特性,とくに機械的特性や形状,粘度を変化させることは,食べる速度とすなわちエネルギー摂取に影響する有望なアプローチである.さらに,混合食品の知覚は複雑である.というのも,口腔内の食物の間の相互作用は,知覚に大いに変化を示すからである.そのため,食物の間を区別する感度は,食物を随伴する食物と一緒に評価すると減弱する.

結論:このレビューでは,咀嚼中の混合食品の構造的な位相が,混合食品の口腔咀嚼行動・知覚・喫食量にどのように関与するかに注目する.これは,健康的な食品や持続可能な生産食品のデザインにおいて大いに関心を持たれているが,それについて最良の感覚の質が依然として難題をもたらすことが確認されている.


食物の形態と咀嚼や喫食量に関するレビューである.
今の時点では.系統的レビューとするには十分な文献なく,ナラティブレビューという体裁であるが,臨床の現場での実感(もっと言えば,実際に自分自身が食べるときの実感)に近い結果と言えるのではないだろうか.
つまり,食べ物に固いものを加えるとたくさん噛むので時間がかかるとか,食感が悪くなる,あるいは,調味料によって潤滑性が向上すると食べやすくなる,といった結果である.

咀嚼は,単に食べ物をすり潰して,食塊をひとまとめにするだけでなく,味覚や触覚を含む食物の知覚,食べても良いものかどうか,安全に嚥下できるかという判断といった認知を含むプロセスだと考えるが,このレビューでは,地の文章では若干触れているものの,そこまで踏み込んだレビューにはなっていない.説得力のある研究デザインが難しいからかもしれない.

本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは文献タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字は区別して,10文字目まで)

例:Nothing worth having comes easy. -> Nwhce

0 件のコメント:

コメントを投稿