2021年4月14日水曜日

脳卒中後の歩行障害に対する歩行訓練と組み合わせた両側の下肢運動領域上に適用した高頻度反復経頭蓋磁気刺激:予備的研究 Brain Inj 2013

 

脳卒中後の歩行障害に対する歩行訓練と組み合わせた両側の下肢運動領域上に適用した高頻度反復経頭蓋磁気刺激:予備的研究







抄録
目的:ダブルコーンコイルは,下肢運動領域への磁気刺激の投与を可能にし,その領域の神経活動性を修飾する.コイルでの促通性反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)と理学療法の併用適用が,脳卒中後の歩行機能を改善するであろうことが期待される.この研究の目的は,脳卒中後の歩行障害に対するダブルコーンコイルでのrTMSと運動訓練を特徴とする入院患者のプロトコルの臨床効果を明らかにすることである.
被験者と方法:歩行障害のある脳卒中後片麻痺患者19人が研究された(年齢56.2±11.9歳).13日間の入院中に,各患者は高頻度rTMSとトレッドミル訓練を主体とする運動訓練を20セッション行った.1回のrTMSのセッションで,10-HzのrTMSを2000パルスを,ダブルコーンコイルを使って両側の下肢運動領域に与えた.歩行速度,生理学的コスト指数(PCI, Physiological Cost Index),Timed Up and Go Test(TUG)を入院日と退院日に評価した.
結果:プロトコルはすべての患者で有害作用なく完了した.併用療法は,歩行速度を有意に向上し(p<0.05),PCIを有意に低下し(p<0.05),TUGの実行時間を短縮した(p<0.05).
結論:高頻度rTMSと運動訓練を主体とするプロトコルは安全で実行可能であり,脳卒中後の歩行機能を改善できる.

2021年4月5日月曜日

脳卒中誘発免疫抑制と脳卒中後感染症 Stroke Neurol Vasc 2018

 


脳卒中誘発免疫抑制と脳卒中後感染症













抄録

脳卒中後に感染症が生じることはよくあり,このような患者の機能的予後不良と強く関連している.脳卒中後感染症の有効な管理のためのアプローチは依然として不十分であり,脳卒中を生じた患者のための予防的対感染症戦略について差し迫った必要性を示している.脳卒中が全身の免疫反応を障害し,感染症への脆弱性を高めること示すエビデンスが表れつつあり,これは,傷害された免疫防御の修飾が有効だろうということを示唆している.このレビューでは,我々は,予防的抗生剤を用いた脳卒中後感染症を予防するための過去の試みと,脳卒中誘発免疫抑制の現在の理解をまとめた.脳卒中の免疫機序についての更なる解明は,免疫系を調節することを介して脳卒中後の感染症を闘う新しい治療の個別化したデザインへの道筋を示すだろう.