脳卒中誘発免疫抑制と脳卒中後感染症
抄録
脳卒中後に感染症が生じることはよくあり,このような患者の機能的予後不良と強く関連している.脳卒中後感染症の有効な管理のためのアプローチは依然として不十分であり,脳卒中を生じた患者のための予防的対感染症戦略について差し迫った必要性を示している.脳卒中が全身の免疫反応を障害し,感染症への脆弱性を高めること示すエビデンスが表れつつあり,これは,傷害された免疫防御の修飾が有効だろうということを示唆している.このレビューでは,我々は,予防的抗生剤を用いた脳卒中後感染症を予防するための過去の試みと,脳卒中誘発免疫抑制の現在の理解をまとめた.脳卒中の免疫機序についての更なる解明は,免疫系を調節することを介して脳卒中後の感染症を闘う新しい治療の個別化したデザインへの道筋を示すだろう.
脳卒中に伴う免疫抑制に関するレビューである.
脳卒中急性期には,脳損傷を食い止めるために免疫機能は抑制に傾くが,脳局所だけでなく,全身に生じると感染性合併症の誘因になるという見解と,それに基づいた治療戦略の現時点での知見をまとめている.
現時点では,脳卒中急性期の抗生剤の予防的投与も,交感神経抑制のためのベータ遮断薬も,はっきりした結論は出ていない.もしかすると,効果がないというよりも,対象の選択の問題もあるかもしれない.適切な症例を選べば,有意な結果が出るかもしれないが,今のところ,その方法もわかっていないのではないだろうか.
有望な治療であるため,今後の研究が待たれる領域である.
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例:Never put off till tomorrow what can be done today. -> Npottwcbdt
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