不全脊髄損傷患者において,脳磁気刺激は臨床評価項目を改善させることができる
研究デザイン:予備的な縦断的臨床試験.
目的:安定した不全脊髄損傷において,皮質脊髄抑制を調整し回復を改善させる上での反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性を検証すること.
条件:英国バックスのStroke Mandeville HospitalのNational Spinal Injuries Centreおよび英国ロンドンのCharing Cross HospitalのImperial College Faculty of Medicineの神経科学講座.
方法:安定した不全脊髄損傷4人が,後頭皮質上のrTMS(シャム治療)で治療され,それから運動皮質上のrTMS(真治療)で治療された.患者は,電気生理学的検査,臨床評価および機能的評価で,治療前,シャム治療中,治療的治療中,3週間の追跡期間中に測定された.
結果:治療の週の間,皮質抑制は減弱していた.皮膚の電気刺激に対する知覚閾値,運動・感覚機能のASIAの臨床評価,ペグボードの遂行時間が改善し,追跡調査期間に改善が維持された.
結論:この予備的研究で,rTMSは不全脊髄損傷における皮質抑制を変化させ,臨床的・機能的評価項目を改善させることが示された.