虚弱高齢者における誤嚥性肺炎の危険因子:系統的文献レビュー
目的:虚弱高齢者における誤嚥性肺炎のリスクと,危険因子の中での口腔衛生不良の関与を系統的にレビューすること
デザイン:系統的文献レビュー
参加者:虚弱高齢者
評価法:60歳以上の入院患者・施設入所者・自宅生活者についての公表文献のみ.2人の著者が独立して,方法論的質について公表文献を評価した.誤嚥性肺炎に関連する各危険因子について,非調整オッズ比・調整オッズ比と対応する95%信頼区間を抽出した.結果は,Oxford Centre for Evidence-based MedicineオクスフォードEBMセンターのエビデンスのレベルにしたがって評価した.
結果:合計21編の公表文献が質の対象基準をすべて満たした.誤嚥性肺炎と年齢,男性,肺疾患,嚥下障害,糖尿病の間の関連性についてエビデンスレベル2a(コホート研究の均質性を伴った系統的レビュー)がみつかった.重度認知症,アンギオテンシンⅠ変換酵素欠損/欠損遺伝子型,口腔衛生不良が2b(個別的なコホート研究),栄養障害が3a(症例対照研究の均一性を伴った系統的レビュー),パーキンソン病と抗精神病薬,プロトンポンプ阻害薬,ACE阻害薬の使用が3b(個別的な症例対照研究)だった.危険因子の中での口腔衛生不良の関与は限定的と思われた.
肺疾患や嚥下障害,糖尿病にはまずまず強いエビデンスがあり,重度認知症,口腔衛生不良,栄養障害といった因子が続く.
中でも,糖尿病や口腔衛生,栄養といった因子は介入可能な因子であると推測される.介入によってどの程度肺炎を減少させられるかといったあたりが興味がある.また,向精神薬やPPIの使用を控えるといった注意も必要になるだろう.
日本語訳はこちら(パスワードは文献タイトルの頭文字をつなげてください.大文字・小文字を区別して10文字目まで).
例:Beware of the Young Doctor and the Old Barber. -> BotYDatOB
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