2018年7月20日金曜日

通常診療における国際生活機能分類のシステム全体にわたる実践に向けて:中国における予備的研究からの教訓 J Rehabil Med 2016

通常診療における国際生活機能分類のシステム全体にわたる実践に向けて:中国における予備的研究からの教訓

























2011年,リハビリテーションにおける中国の指導者は,国際生活機能分類(ICF)の研究部門の協力で,中国の医療システムにおいてシステム全体にわたるICFの実戦に向けた取り組みに着手した.ここで我々は,中国における通常の実地診療で使用するために,ICF一般セットをテストする試験段階で得られた教訓を報告する.このセットはICFの7つのカテゴリーの簡潔なセットで,一般人口や種々の健康状態の人にわたって機能状態をよく説明できることが示されている.この記事では,分類と評価が比較可能かどうか,通常診療でのデータ収集においてどのくらいの数のICFカテゴリーを含めるべきか,実地診療と医学研究のプランニングにおいて機能状態のプロフィールと機能状態のスコアの有用性を議論する.さらに,この記事では,評価スケールにおけるICF評価点の使用や,中国のリハビリテーションや医療の中で項目として使用されるときにICF一般セットに含まれる,ある種のICFカテゴリーの特殊性をよく検討している.最後に,リハビリテーションと医療サービスにおけるICFのシステム全体にわたる有用性を強化するために必要な手順を立案する.
ICFを日常臨床での実用化しているための中国での予備的研究からの示唆をまとめた論文である.概ね以下のようなことが指摘されている.
・ICFは分類法であり,評価法との違い,あるいは比較について検証すること
・特定の状態における必要なICFカテゴリーの数を決定すること
・ICFに基づいたスコアリング法の開発
・ICFの評価点の有用性と問題点
・ICF一般セットの一部カテゴリーは,中国においてはスコアリングに含めない方がよい
・ICFカテゴリーを簡便で直感的に説明することんお重要性
・標準化された,わかりやすいICFのスコア化
少し意訳や個人的な解釈も含まれていることはご理解いただきたいが,我が国での状況とそれほど違いはないだろう.

ICFの利用の推進は,WHOが主導する国際的な取り組みであり,厚労省も関与しているようであるから,いずれは何らかの形で臨床場面にも導入されてくるはずである.
ICFの利点と限界を理解しておくことは意味があると思われる.

論文本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字・小文字を区別して,記号は除いて10文字目まで).
例:A Goal Without A Plan Is Just A Wish. -> AGWAPIJAW

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