2018年9月16日日曜日

大域的脳波位相同期は脳卒中後の臨床的状態を反映する:脳波研究 Neurorehabil Neural Repair 2017










大域的脳波位相同期は脳卒中後の臨床的状態を反映する:脳波研究













抄録
背景と目的.脳卒中によって生じた局所の脳病変はしばしば残存する神経ネットワークの活動に遠隔効果を与える.脳波技術は,脳損傷後の神経ネットワークの変調を評価することができる.近年,脳波の位相同期分析から,脳活動の大域的位相同期の程度と臨床症状の間の関連性が示された;しかしながら,脳卒中患者においてこのような関連性を評価した研究はほとんどない.対象.この研究の目的は,脳卒中患者における大脳半球位相同期の臨床的重要性を,その臨床状態との相関を計算することによって調査することである.方法.この横断的研究では,入院リハビリテーションのために入院した急性脳梗塞後の患者19人を対象とした.半球間位相同期指数(IH-PSIs; Interhemispheric phase synchrony indices)を,2つの周波数帯(アルファ[α])とベータ[β]で計算し,指数と機能的自立度(FIM),NIHSS,Fugl-Meyer Motor Assessment(FMA)のスコアの間の関連性と分析した.IH-PSIsのさらなる評価のために,病変と同側の半球内位相同期指数(IntraH-PSIs)を,IH-PSIsおよび半球内位相遅延指数(PLIs; IntraH-phase lad indices)とともに評価した.結果.IH-PSIsは外れ値を除いた後でFIMスコアと相関した.PLIsでの解析の結果はIH-PSIsと一致した.結論.PSIsは日常生活スケールの実行状態と相関したが,純粋な運動障害のスケールのスコアとは相関しなかった.このような結果から,IH-PSIsによって表現される大域的位相同期は脳卒中後の臨床状態についての新しい代替マーカーとなることが示唆される.

 脳波上の活動の同期性が,脳卒中後のADLを相関するという研究である.
 この同期性を評価するIH-PSIというパラメータがどのような起源による指標なのか,勉強不足で今ひとつはっきりしないが,標準的な脳波の測定で予後が予測できるとすれば,有意義な研究と言える.

 広範病変の症例ではよく相関しなかったようなので,単純に残存する大脳皮質の細胞数や密度を反映している可能性もあるような気がするが,もう少し情報を集めてみたい.

日本語訳はこちらからダウンロードできます(パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字は区別して,記号は除いて10文字目まで).
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