2018年9月29日土曜日

急性大動脈解離における炎症による発熱:診断と治療のための説明と提案 Rev Esp Cardiol 2010



急性大動脈解離における炎症による発熱:診断と治療のための説明と提案


 急性大動脈解離を背景とした二次的な発熱を調査した研究はほとんどない.59人の患者の後方視的分析を行った.背景となる大動脈解離に続発した発熱基準を定義した.5人が,急性大動脈解離による炎症性の発熱に一致した臨床的表現形を有していた.主な特性は以下の通りである:発熱は最初の48時間以内に生じた,体温の変動が感染性の発熱よりも有意に小さい(P=0.015),発熱のエピソードは患者の全身的臨床状態に影響しなかった,経験的抗菌療法に反応しない,インドメタシンで治療した患者では発熱が24時間以内に消失した.結論として,急性大動脈解離による発熱は,感染性の発熱とは区別できるような明確な違いのある特徴があった.この病態のよい治療には不要な診断的検査や不適切な抗菌薬の使用を含むべきではなく,背景にある大動脈解離を治療するために必要な治療法を適用するのを遅延すべきではない.


 急性大動脈解離に伴う発熱の臨床的特徴についての研究である.
 抗菌薬に反応しない発熱で,日内変動の小さい発熱は解離そのものを原因とする発熱である可能性が高く,インドメタシンが有効だとしている.
 このような病態をすぐに鑑別するのはなかなかに難しく,臨床経過を知っておくのは重要だと考える.
 この研究は急性期の発熱を対象としているが,利幅面で問題となる亜急性期についてももう少し調べてみたい.
本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字を区別して,記号は除いて10文字目まで).
例:The Future Starts Today,  not Tomorrow. -> TFSTnT

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