2018年11月29日木曜日

高齢者において持続的な発熱を呈した緩徐進行性・無痛性胸部大動脈解離:生化学的パラメータの併用測定の有用性 Case Rep Med 2013

高齢者において持続的な発熱を呈した緩徐進行性・無痛性胸部大動脈解離:生化学的パラメータの併用測定の有用性

大動脈解離は緊急の診断と適切な介入を必要とするような致死的な病態である.急性大動脈解離はしばしば突然発症の強い胸痛として表れるので,医師は容易に適切な診断にたどり着くことができる.しかしながら,大動脈解離の患者の中には,典型的な強い胸痛はなく,様々な臨床的表現形を呈する患者もいる.そのために診断が遅れたり,死亡する可能性もある.我々は,原因不明の発熱の高齢患者で最終的に大動脈解離と診断された症例を提示する.本例では,プロカルシトニン検査陰性,D-Dダイマーおよび血清CPK-BB濃度上昇,CRP濃度の再上昇から我々は正しい診断に導かれた.

 不明熱として発症した大動脈解離の症例報告である.
 通常であれば,胸痛がなくてもCTなどである程度診断がつくかもしれないが,この症例では大動脈瘤の手術歴があったため,すぐには診断がつかなかった.
 そこで,プロカルシトニン陰性から細菌感染を除外し,D-Dダイマー高値から血栓の存在を疑い,CT上の偽腔内の所見に着目して診断に至っている.また,CK-BBの有用性にも触れている.

 大動脈解離が,破壊組織と血栓の存在によって,発熱の原因になり得るということは不明熱の診療において頭に置いておくと良いだろう.

本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字を区別して,記号は除いて10文字目まで).
例:Everybody Has Talent, But Ability Takes Hard Work. -> EHTBATHW

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