2021年11月2日火曜日

嚥下障害のある急性脳卒中後の経皮的内視鏡的胃瘻造設術と経鼻胃管チューブの無作為・前方視的比較 BMJ 1996

 

嚥下障害のある急性脳卒中後の経皮的内視鏡的胃瘻造設術と経鼻胃管チューブの無作為・前方視的比較

















抄録
目的−嚥下障害のある急性脳卒中後において経皮的内視鏡的胃瘻造設術と経鼻胃管チューブを比較すること.
デザイン−経腸栄養を必要とする急性脳卒中の入院患者のランダム化前方視的研究.
条件−大学病院1施設(ノッティンガム)と地域の一般病院1施設(ダービー).
対象−急性脳卒中から14日後に持続的な嚥下障害のある患者30人:16人が胃瘻栄養に,14人が経鼻胃管栄養に割り付けられた.
主要評価項目−6週間の死亡率;投与した栄養量;栄養状態の変化;治療の不成功;在院日数.
結果−6週後の死亡率は,胃瘻群は2人(12%)で,経鼻胃管群の8人(57%)よりも有意に低かった(P<0.05).胃瘻で栄養投与された患者(16人)はすべて,処方された栄養すべて投与されたが,一方,経鼻胃管の患者の10/14 (71%)は1日以上の栄養を喪失した.経鼻胃管の患者は,処方された栄養のうち,投与された栄養量が胃瘻群(100%)と比べて有意に少なかった(78%; 95%信頼区間63%-94%).胃瘻から栄養投与された患者は,経鼻胃管群と比べて,6週目でのいくつかの異なる基準に従って,栄養状態により大きな改善を示した.胃瘻群では平均アルブミン血中濃度が27.1g/L(20.7g/L〜23.9g/L)から31.4g/L (28.6g/L〜34.2g/L)に上昇した(P<0.003).さらに,胃瘻群では,治療不成功がより少なかった(0/16対3/14).胃瘻群から6人の患者が手順の6週間以内に退院し,対して,経鼻胃管群では0だった(P<0.05).
結論−この研究から,早期の胃瘻栄養が,経鼻胃管栄養よりも優れていることが示され,急性期の嚥下障害のある脳卒中患者に対する栄養療法の選択肢となるべきである.


 脳卒中後の経腸栄養における経鼻胃管と胃瘻を比較した前方視的ランダム化比較研究である.ESPNの神経疾患における経腸栄養のガイドラインに引用されているが,1996年と古い研究である.
 胃瘻は経鼻胃管に比べて,死亡率,栄養状態,投与した栄養量,誤抜去の頻度といった指標で優れていたという結果である.
 恐らくはこのような結果を受けてFOOD trialが行われたと思われるが,結果としてはPEGの優位性は示されていない.
 脳卒中治療ガイドライン2021においても,亜急性の胃瘻造設はとくに推奨されておらず,現時点では胃瘻が経鼻胃管と比べて,肺炎予防や生存といった指標で良好であるということは十分に示されているとは言えない.

本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字を区別して10文字目まで).
例:Be happy, but never satisfied. -> Bhbns

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