2017年7月30日日曜日

臨床診療における食道拡張の使用のガイドライン Gut 2004









臨床診療における食道拡張の使用のガイドライン



2017年7月25日火曜日

嚥下障害患者における輪状咽頭筋機能不全に対する異なるバルーンカテーテル拡張法の効果 Dysphagia 2012


嚥下障害患者における輪状咽頭筋機能不全に対する異なるバルーンカテーテル拡張法の効果























抄録 本研究の主要目的は,輪状咽頭筋機能不全に対する,2つの異なる方法(能動的・受動的)でのバルーン拡張療法の効果を調べることである.2006〜2010年に神経疾患による嚥下障害患者38人が募集された.そのうち,21人が能動的バルーン拡張療法を受け,17人が受動的バルーン拡張療法を受け,平均4週間だった.介入前後の患者の嚥下機能を,Functional Oral Intake Scale(FOIS)を用いて評価し,上部食道括約筋の開大を嚥下造影検査で調べた.両方の方法のバルーン拡張療法でFOIS(能動群:z=-3.767, p<0.001:受動群:z=-3.472, p<0.001)と上部食道括約筋の開大(両群:p<0.01)において改善が得られた.輪状咽頭筋機能不全に対して,能動的拡張は,受動的拡張に比べて,FOISの結果が良好だった(p=0.028).能動的・受動的バルーン拡張法は共に神経疾患の患者に対して有効であるが,能動的バルーン拡張法がより良好だった.

2017年7月15日土曜日

神経疾患による嚥下障害に対する上部食道括約筋の弛緩と咽頭運動へのリハビリ的バルーン嚥下訓練の有効性 Ann Rehabil Med 2015

 
神経疾患による嚥下障害に対する上部食道括約筋の弛緩と咽頭運動へのリハビリ的バルーン嚥下訓練の有効性















目的 輪状咽頭筋機能不全のある重症嚥下障害の患者における嚥下障害の重症度と上部食道括約筋の開大の関連性を調査し,リハビリ的バルーン嚥下療法後の機能的改善に対するバルーンサイズの効果を評価すること.
方法 我々は,2012年1月から12月に,Myongji病院リハビリテーション科で実施した嚥下造影検査を再評価した.嚥下造影で輪状咽頭筋機能不全と診断された全被験者が,さらに,硫酸バリウム懸濁液で満たした16Fr Foleyカテーテルを3〜5分嚥下した.我々は,患者が食道に嚥下できる最大径を測定し,その後に,2回目の嚥下造影を行なった.それから,我々は,バルーン径とバルーン治療後の機能的改善の相互関係を示すために統計学的手法を適用した.
結果 嚥下造影を受けた283人の入院患者のうち,21人の被験者が輪状咽頭筋機能不全と診断された.カテーテルバルーンを嚥下することによって評価された上部食道括約筋の開大の程度は,咽頭通過時間と嚥下後の咽頭残留と負の線形相関があった.3〜5分のビデオ透視でガイドした反復バルーン嚥下療法は,咽頭通過時間と咽頭残留に関して有意に改善させた(それぞれp<0.005とp<0.001).バルーン療法後のバルーンサイズと咽頭残留の減少の間には相関がみとめられた(Pearson相関係数R=-0.729, p<0.001)が,一方,バルーンサイズと咽頭通過時間の改善の間には明らかな関連性はなかった(R=-0.078, p=0.738).
結論 輪状咽頭筋機能不全の患者が嚥下できるバルーンの最大径は,上部食道括約筋の最大の開大を示しているのかもしれない.反復バルーン嚥下療法は,誤嚥のリスクのない安全な方法であり,咽頭運動と上部食道括約筋の弛緩の両方を改善できる有効な手法かもしれない.

2017年7月6日木曜日

嚥下障害のある脳卒中患者における喉頭蓋谷バルーン法の効果 Ann Rehabil Med 2017

嚥下障害のある脳卒中患者における喉頭蓋谷バルーン法の効果














目的 脳卒中患者において,Foleyカテーテルでのバルーン拡張法と喉頭蓋谷腔でのバルーン嚥下法の後の嚥下障害の改善を調査する.
方法 この研究は,2012年5月1日から2015年12月31日の間に行われ,嚥下困難の主訴のある脳卒中患者30人が対象となった.すべての患者に,バルーン法の前後に嚥下造影検査を実施した.嚥下造影は,半固形の食塊4mLで行なった.喉頭蓋谷バルーン法のために,2つの訓練を少なくとも10分ずつ以上行なった.その方法は,喉頭蓋の逆方向ストレッチと喉頭蓋谷腔に置かれたバルーンの嚥下で,嚥下造影を用いてリアルタイムにFoleyカテーテルの先端の動きを確認した.
結果 喉頭蓋谷バルーン法の前後の嚥下パターンの改善の調査後に,喉頭挙上(x軸:前2.62±1.51mm,後3.51±1.93mm,p=0.038;y軸:前17.11±4.24,後22.11±3.46mm,p=0.036),咽頭通過時間(前5.76±6.61秒,後4.08±5.49秒,p=0.043),喉頭蓋の反転(前53.24°±26.77°,後32.45°±24.60°,p<0.001),嚥下後の咽頭残留(前41.31±23.77%,後32.45±24.60%,p=0.002)が統計学的に有意な変化を示した.喉頭侵入−誤嚥スコアは有意差はなかった(前4.73±1.50,後4.46±1.79,p=0.391).
結論 喉頭蓋の運動不全と嚥下後の残留のある脳卒中患者にとって,喉頭蓋谷バルーン法は,嚥下障害の治療において誤嚥の危険なく適用できる代替法と見なすことができるかもしれない.