延髄外側梗塞における両側声帯機能不全:症例報告と神経−解剖の相互関係のレビュー
抄録
背景:延髄外側(Wallenberg)症候群は,椎骨動脈疾患に関連した,もっともよくある脳卒中の症候群である.この症候群の特徴は,体側の体幹と四肢,および顔面の同側に影響する交差性の感覚の所見である.この症状が,構音障害に,めまい,Horner症候群に加わる.片側の声帯機能不全は頻繁にみとめるが,両側の声帯麻痺は極めて稀で,生命の危機になり得る合併症である.
症例提示:我々は75歳男性で,急性延髄外側(Wallenberg)症候群を呈し,両側声帯麻痺のために急性気道閉塞となった症例を提示する.
結論:我々は急性脳梗塞の稀な症状を報告する:すなわち両側声帯麻痺である.我々は,両側声帯に波及したことについての背景となる神経解剖学的機序を提唱する.延髄外側症候群,つまりWallenberg症候群に伴う両側声帯麻痺の症例報告である.
Wallenberg症候群には片側の声帯麻痺はよく見られるが,両側となるとかなり珍しい.しかも,本例のような開大障害のタイプは非常に稀で,かつ上気道閉塞を生じるので危険でもある.
この症例によれば過去に2例の報告があり,つまりこの報告が3例目ということになるが,潜在的にはもっと多いかもしれない.このような病態の症例が,喘鳴,とくに吸気性喘鳴を生じたら要注意である.
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