2018年6月24日日曜日

両側声帯麻痺:皮質脳梗塞のまれな遅発合併症 Neth J Crit Care 2017











両側声帯麻痺:皮質脳梗塞のまれな遅発合併症














抄録

脳卒中患者における声帯麻痺はまれな症状であり,大脳皮質や迷走神経の反回喉頭神経分枝を供給する脳幹の領域が損傷されたときに生じる.運動皮質を障害する脳卒中では,通常は声帯麻痺は生じない.というのも,迷走神経核は,脳の両側から皮質延髄路に神経支配を受けているからである.我々は,発症から8日目に生じた左前頭−頭頂–島皮質の梗塞による突然発症の両側声帯麻痺という独特な症例を提示する.


 テント上病変による両側声帯麻痺の症例報告である.このような報告は,本例を含めて2例があるが,いずれも弁蓋部や島皮質を含む前頭葉病変である.
 この部位が声帯運動や嚥下に関わっていることは以前から推測されており,また,片側のテント上病変で両側声帯麻痺が生じたということは,側性化があること,すなわち個体によっては声帯運動に対して優位な半球があり,損傷を受けると両側声帯麻痺を生じる可能性があることを示唆している.

 テント上病変でも片側の声帯麻痺は稀ならず見られることは別の論文で報告されており,ときに両側性に生じるかもしれないということは覚えておいてもよいだろう.

本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字は区別して,記号は除いて10文字目まで).
例:Things may come to those who wait, but only the things left by those who hustle. -> Tmcttwwbot

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