脳卒中亜急性期で相当の脚の障害のある患者における非障害側下肢運動野の反復経頭蓋磁気刺激の効果:予備研究
目的:脳卒中亜急性期後の相当の下肢障害のある患者の間での歩行機能に対する反復経頭蓋磁気刺激rTMSの効果を評価すること.
デザイン:シャム比較群を対象とした二重盲検・層別化・ランダム化試験.
参加者:初回脳卒中亜急性期後の片側片麻痺で,入院脳卒中リハビリテーションを行っている患者.
方法:本研究で使用された15日間の介入プログラムでは,rTMS(1Hz,15分)を非障害側半球の脚の運動野上に適用し,その後で45分間の理学療法を行なった.全体として,32人の参加者がランダムに,実刺激のrTMSとシャム刺激のrTMSのいずれかを受けるように割り付けられた.臨床評価として,the Postural Assessment Scale for Stroke Patients (PASS),the Performance Oriented Mobility Assessmentのバランスの下位スケール(POMA-b),Fugl-Meyer Assessment,Barthel Index(BI),Timed Up & Go testを含み,介入直前・直後に実施した.
結果:両群とも,すべての評価で継時的に有意な改善を示した.測定後の評価で,実刺激のrTMS群の患者は.シャム刺激のrTMS群の患者と比べて,PASS,POMA,BIのスコアでより大きな改善を示した.さらに,実刺激のrTMS群では,シャム刺激のrTMS群よりも多くの数の患者が,歩行能力を回復した.
結論:1 Hz rTMSの適用は,脳卒中亜急性期後の相当の下肢障害の患者において,歩行能力を改善するかもしれない.