2017年8月8日火曜日

脳卒中誘発性免疫抑制 実験的証拠と臨床的関連性 Stroke 2007

脳卒中誘発性免疫抑制
実験的証拠と臨床的関連性












抄録−脳卒中は,正常ではよくバランスされている2つの上位体系の相互作用に影響する:神経系と免疫系である.最近の研究から,影響を受けた兆候と機序がいくつか明らかになり,重要なことは,脳−免疫相互作用が脳卒中後の機能転帰に大いに関連していることを示すことができるようになったということである.脳卒中後の免疫抑制が生じると感染しやすくなり,これは脳卒中患者においてもっとも関連の深い合併症である.しかしながら,脳卒中後の免疫抑制は有益な効果もあるのかもしれない.例えば,病変から産生された中枢神経系特有の抗原の免疫系への暴露の間の自己侵襲的な反応を抑制することによる効果である.それゆえ,免疫調整療法が脳卒中患者に適用できるようになる前に,我々は,局所の脳虚血後の脳と免疫系の相互作用をより理解しなければならない.それまでは,脳卒中誘発性免疫抑制の重要な結果,つまり細菌感染を予測して,抗菌的な予防戦略が提唱されてきた.マウスの実験では,予防的抗菌療法は死亡と帰結を劇的に改善した.このテーマにおける臨床研究の結果は,現時点では一致しておらず,脳卒中患者が予防的に治療されるべきかどうか,そしてどんな患者が予防的治療を受けるべきかという疑問に答えるための大規模研究が必要である.にもかかわらず,ヒトにおける脳卒中誘発性免疫抑が存在するだけでなく,齧歯類の実験で特徴付けられたものと極めて似た特性を有していることを示す臨床的なエビデンスが現れている.
 脳卒中が免疫機能を低下させるというコンセプトを解説した記事である.
 主な機序としては,視床下部−下垂体−副腎と介した経路と,交感神経系を介した経路が考えられているようだ.

 免疫機能が低下するなら,それを補正するような介入をすればよいはずだと考えると思うのだが,脳の損傷組織への免疫反応が抑制することは損傷を食い止めるという意義もあるので,そう単純な話ではないようだ.

 もう10年も前の記事であるが,不勉強にして,この概念を,この度,初めて目にした.もう1編,記事を見つけたので,続けて紹介します.

記事本文はこちらから入手できます.
日本語訳はこちら(パスワードは記事のタイトルの単語の頭文字をつなげてください.大文字と小文字は区別して,記号はのぞいてください).
例:Efforts and Courage are not Enough without Purpose and Direction. -> EaCanEwPaD

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