経頭蓋磁気刺激と失語症リハビリテーション
抄録
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は,脳卒中慢性期の非流暢性失語で呼称を改善させることが2005年以来報告されてきた.1章で,我々は,左大脳半球の脳卒中慢性期の非流暢性失語の患者に対して,損傷のない右半球への低頻度の1HzのrTMSを適応することの理論的根拠をレビューし,このような患者に用いたTMSプロトコールが,介入後長期にわたって呼称を改善させたことを述べた.2章では,我々は慢性期の非流暢性失語で,TMSの治療の直後に言語療法(CI言語療法)を行った症例研究の結果を述べる.3章で,失語のある脳卒中患者で一連のTMS治療後の改善に関連した機序として可能性のあるものをいくつか考察する.経頭蓋磁気刺激(TMS)は脳に直接介入して,可塑性変化を生じやすくさせる手法である.
このレビューでは,TMSの理論的背景と失語症における臨床応用について解説される.また,TMS単独でも効果があるが,やはり訓練と組み合わせてこその治療法でもあることにも触れられている.言ってみれば,TMSは脳を柔らかくする介入であり,望ましい形に再構成するのが訓練である.この構造は失語やTMSでだけでなく,あらゆる神経リハに共通している.
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