2015年2月18日水曜日

5.失語症リハビリテーションのためのCI療法アプローチにおける研究の最初の10年

失語症リハビリテーションのためのCI療法アプローチにおける研究の最初の10年

























抄録
 拘束による強制使用(constraint-induced; CI)の理論に基づいた脳卒中後の言語障害(失語症)を治療するアプローチは2001年に初めて紹介された.脳卒中患者における過去に上肢や歩行の再教育に適用されたCI原理は,基礎的な神経科学に由来している.このような方法には,障害されたモダリティを強制的に使用することや,高強度の治療プロトコルを用いてターゲットとなった機能を徐々に再構築する方法があり,行動に関連した(訓練法の?)文脈で適応される.CIに基づいたアプローチは,この10年間にかなり多くの神経リハの研究を生み出した.オリジナルのCI失語療法プロトコルは,慢性期の失語症(つまり,発症から6〜12ヶ月)において機能的なコミュニケーションを改善させるために調整され,さらに最近は急性期の脳卒中患者の言語障害の治療にも応用されるようになった.さらに,治療に反応した言語ネットワークの可塑性を失語症に適用したCI療法は,機能画像を用いて評価するモデルとしても用いられている.以下の記事では,我々は,失語症リハビリテーションのためのCIに基づいたアプローチにおける行動での(評価による)研究と機能画像の研究をレビューする.



 失語症におけるCI療法のレビューである.
 CI療法は,麻痺側上肢の使用を促すために健側の上肢を拘束して(つまり使えないようにして),麻痺側上肢を強制的に使用させるという訓練である.その理論的背景は,強制使用・高強度の訓練・シェイピングである.
 言語において,これを応用するということは,つまり言語以外のコミュニケーションモダリティを制限するということである.具体的にはジェスチャーや指差しといったコミュニケーションの代替手段である.このような介入法は上肢と同じく有効性が高いと思われ,薬物療法や機能画像の知見も踏まえて紹介されている.

 この記事でもう1つ面白いのは,資格を持ったSTではなく,訓練法を説明された一般人(家族など)でも効果がありそうだということを解説している点である.このような知見はCI療法以外の言語療法でも見受けられており,言語がコミュニケーションツールであるという特性上,一番のコミュニケーションの相手も巻き込んだ介入には大いに可能性があるし,従来,行われている言語リハも最終的にはそのレベルを目指すべきであろう.


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例:Who knows Most, speaks Least. -> WkMsL

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