2015年4月30日木曜日

統計ソフトEZRー実践編3(検定)ー

続いて,textの2群に差があるかどうかと検定してみましょう.
流れとしては,データの要約,検定法の選択,検定です.

2015年4月24日金曜日

膝つっぱり歩行を呈する脳卒中患者における複数筋へのボツリヌス毒素同時注射の障害・活動・参加・QOLへの効果 Stroke2008

膝つっぱり歩行を呈する脳卒中患者における複数筋へのボツリヌス毒素同時注射の障害・活動・参加・QOLへの効果











背景と目的−歩行は日常生活や社会参加のための必要不可欠な活動であり,脳卒中後にはしばしば制限を受ける.遊脚期の膝屈曲の欠如(膝のつっぱり)は,片麻痺の痙縮を伴う患者で歩行能力を制限するような障害の1つである.我々の目的は膝つっぱり歩行を呈する脳卒中慢性期患者において,複数の痙縮筋へのA型ボツリヌス毒素(BoNT-A)の注射の効果を研究することである.
方法−膝つっぱり歩行を呈する脳卒中慢性期患者でトレッドミルを歩行可能な20人が募集された.BoNT-Aは複数の痙縮筋に注射した:大腿直筋(200単位),半腱様筋(100単位),下腿三頭筋(200単位).患者の神経学的障害(Ashworth Scale,Duncan-Ely test,Stroke Impairment Assessment Set,instrument gait analysis(機械的歩行解析))および活動(ABILOCO,10m歩行テスト),参加(SATISPART-Strokeと36-item Short Form Health Survey)を注射前と2ヶ月後に評価した.
結果−BoNT-Aは障害を緩和した.SIASが改善し(56.5[48〜63]から56.5[52.5〜63];P<0.001),大腿直筋の緊張(2[1〜2.5]から0[0〜1];P<0.001),半腱様筋の緊張(1[1〜1.5]から0[0〜1];P<0.001)が軽減した.歩行解析では,遊脚期の膝屈曲が拡大し(22±19°から27±16°;P=0.03),外部機械的仕事が軽減し(0.66±0.38から0.59±0.25J kg-1 m-1;P=0.04),エネルギーコストが低減する(2.2±1.9から3.2±2.1 logits;P=0.03)ことが示された.参加とQOLは変化なく,そのままだった.


2015年4月19日日曜日

統計ソフトEZRー実践編2(グラフ)ー

次にグラフを描いてみましょう.
EZRでは表計算ソフトのような派手なデザインのグラフは描けませんが,いろんな種類のグラフを描くことができます.

今回はヒストグラムを作成してみます.

2015年4月16日木曜日

統計ソフトEZRー実践編1(データの読み込み)ー

実際にEZRを使ってみましょう.
慣れれば実に簡単(恐らくSPSSよりも使いやすいです)なのですが,商業ベースの製品と比べると若干のとっつきにくさはあります.最初につまづきやすそうなところを少し紹介します.

2015年4月11日土曜日

歩行の運動パターン News Physil Sci 1999






 歩行の運動生理









哺乳動物における歩行は大幅な違いがあるという事実にも関わらず,運動コントロール
には共通の基本原則が作用している.このことは,共通の機械的および神経系の強制力を反映している.前者はバランスを維持することとエネルギー消費を抑えることの必要性に関連している.後者は,central-pattern generatorのネットワークの構造に関連している.


2015年4月9日木曜日

統計ソフトEZRー導入編4(おまけ)ー

3まででEZRがインストールされたはずですが,Rを開いてコマンドラインを入力するのが面倒くさい方のために,自治医大血液内科のサイトではRを開くだけでEZRが開くように設定する方法を紹介しています.

ここでは,実際にやってみた手順を紹介します.

2015年4月7日火曜日

統計ソフトEZRー導入編3(RcommanderとEZRのパッケージのインストール)ー

3段階のプロセスの3段階目です.
1.Rのインストール
2.X11のインスール(OS X Mountain Lion以降)
3.RcommanderとEZRのパッケージをインストール

最後にRcommanderとEZRのパッケージをインストールします.ここからは,Rのコマンドライン入力になります.
Windows3.1以前のPCを使ったことがないような方にはちょっととっつきにくいかもしれませんが,コマンドライン入力を必要なのは基本的にはこれだけです.インストール後はGUIでの処理が可能です.

2015年4月5日日曜日

痙性麻痺による膝つっぱり歩行のある成人における大腿直筋の化学的脱神経の効果:脳卒中患者でのメタ解析のレビュー Archi Phys Med Rehab 2014

痙性麻痺による膝つっぱり歩行のある成人における大腿直筋の化学的脱神経の効果:脳卒中患者でのメタ解析のレビュー









抄録
目的:膝つっぱり歩行を呈する痙性麻痺のある成人において,大腿直筋への運動分枝ブロック(motor branch block; MBB)または神経筋ブロック(neuromuscular block; NMB)の歩行遊脚期の運動学や機能的評価,エネルギーコストへの効果を決定すること.
データソース:PubMed,Embase,CINAHL,Cochrane Libraryを検索した.2013年2月26日までの研究を収集した.引用文献一覧をさらに詳しく調べた.
研究の選別:研究デザインには制限を設けなかった.患者は中枢神経疾患のある成人とした.介入はNBBまたはNMBとした.評価項目に歩行遊脚期の膝の運動学的評価が含まれていることを条件とした.研究の選別は2人の検者が別々に実行した.
データ抽出:2人の検者が対象とした研究の方法論的な質を別々に評価した.脳卒中患者における運動学・機能的評価・エネルギーコストのデータを,全患者群から可能な集団であれば抽出した.
データ統合:12の異なる研究を記載した計9編の文献を対象とした.遊脚期の膝の運動学(最大膝屈曲角または膝可動域)は対象としたすべての研究で有意に改善した.最大膝屈曲角の平均の改善幅は1.9°〜15.4°だった.脳卒中患者での最大膝屈曲角の統合データは,NMBで7.37°(P=0.000),MBBで9.35°(P=0.002)の有意な改善を示した.つま先離れ時の膝運動速度の統合データはNMBで53.01°/秒の有意な改善を示した.MBBの研究ではこの改善は有意ではなかった.膝可動域・機能的評価・エネルギーコストの統合データは有意な変化を示さなかった.
結論:このレビューから大腿直筋の化学的脱神経は遊脚期の最大膝屈曲角を有意に改善させることが示された.機能的評価・エネルギーコストへの効果は依然としてはっきりしていない.


2015年4月3日金曜日

統計ソフトEZRー導入編2(X11のインストール)ー

3段階のプロセスの2段階目です.
1.Rのインストール
2.X11のインスール(OS X Mountain Lion以降)
3.RcommanderとEZRのパッケージをインストール

このプロセスはMoutain Lion(10.8)以降,つまり,Mavericks(10.9),Yosemite(10.10)には必要ですが,Lion(10.7)以前は不要のようです.

2015年4月2日木曜日

統計ソフトEZRー導入編1(Rのインストール)ー

次にEZRの導入です.
自治医大血液内科のホームページのEZRの紹介ページにもリンクが貼ってあります.

MacでのEZRの導入は3段階のプロセスが必要です.
1.Rのインストール
2.X11のインスール(OS X Mountain Lion以降)
3.RcommanderとEZRのパッケージをインストール

このページではまずRをインストールしていきます.

2015年4月1日水曜日

統計ソフトEZRー紹介ー

EZRは自治医大の血液内科の先生が開発した統計ソフトです.
医師が開発しただけあって医学統計で用いられるような解析は概ね網羅されているといっていいと思いますが,なんといってもその素晴らしさは無料だということです.
といって,怪しげなソフトではありません.Rは統計処理に特化したコンピュター言語で,EZRは簡単にいえばそれをGUI化したものです.


私はEZRの導入にあたって以下の3冊を読みました.