2015年4月11日土曜日

歩行の運動パターン News Physil Sci 1999






 歩行の運動生理









哺乳動物における歩行は大幅な違いがあるという事実にも関わらず,運動コントロール
には共通の基本原則が作用している.このことは,共通の機械的および神経系の強制力を反映している.前者はバランスを維持することとエネルギー消費を抑えることの必要性に関連している.後者は,central-pattern generatorのネットワークの構造に関連している.



歩行という身体への前方への推進運動が,2本の脚で複数の関節と多くの筋をどのようにコントロールして達成されるかという問いに対すると一つの仮説の解説である.
下肢の肢節,つまり大腿・下腿の仰角の組み合わせの解析から導き出された,4本脚の動物と2本脚の人間の歩行パターンの共通性も興味深いが,さらに運動の自由度を歩行運動時の体重心の運動自由度に変換する仮説もなかなか説得力がある.

運動を,このように低い自由度に落としこむからこそ,歩行は無意識にも行うことができるということだろう.
逆に言うと,片麻痺歩行などの正常とは異なる歩行パターンでは,下肢の運動自由度が低くなり,一方で,体重心の運動自由度は代償動作によって高くなっている可能性がある.
このあたりの解析が進むと,歩行リハの戦略も変わってくるのではないか.

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