2015年3月4日水曜日

傾斜センサーによって制御される下垂足刺激装置の多施設研究

 傾斜センサーによって制御される下垂足刺激装置の多施設研究
























目的.傾斜センサーで制御される下垂足刺激装置の有効性と忍容性を評価する.方法.非ランダム化,テストー再テスト研究で,種々の中枢神経系の疾患に起因する下垂足が1年以上経過している患者26人で,4施設で少なくとも3ヶ月間実施された.直線での歩行速度,8の字での歩行速度,physiological cost index(PCI;生理的コスト指数)を装置の有無で測定した.装置を用いた時間/日と歩数/日を記録した.結果.2例を除いて,家ではフットスイッチよりも傾斜センサーを使用した.3ヶ月後,歩行速度は15%(26人;P<0.01),6ヶ月後は32%(16人;P<0.01),12ヶ月後は47%(8人;P<0.05)向上し,一方,PCIは低下した.(装置を)使用中の1日の歩数は継時的に有意に増加し,歩行速度の増大は使用と直接の相関があった.歩行速度はまた刺激がオフでも向上していたが,増加幅は小さかった.これは訓練効果を示す.質問表からの被験者のフィードバックでは刺激装置への満足度が示された.結論.慢性期の下垂足の対象で,刺激装置の有効性も忍容性も良好だった.



歩行電気刺激装置WalkAideの多施設研究である.
従来,このような電気刺激装置は測定スイッチ(フットスイッチ)を用いたデバイスが報告されていたが,WalkAideは歩行に伴う下肢の前後運動でオン・オフのタイミングを設定するという新しい(かつ極めてスマートな)発想の装置である.

この研究は,下垂足の患者さんにこの機械を使用し,単に歩行速度やエネルギー効率が向上しただけでなく,使用していないときの歩行パラメータにも改善があったと報告しており,単な矯正器具以上の効果が期待できる電気刺激装置と言える.
現在,国内でも他施設研究が計画されており,結果が期待したい.


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例:One Small Step for a Man, One Giant Leap for Mankind. -> OSSfaMOGLf

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