歩行の予後を改善させるための傾斜センサー制御による下垂足刺激装置での歩行訓練:脳卒中亜急性期患者でのランダム化比較対照試験の予備研究
下垂足は神経系疾患において非常によくみられる問題である.神経筋電気刺激(NMES; Neuromuscular electrical stimulation)は,脳卒中患者で下垂足を矯正して歩行能力を改善させるような代替的なアプローチであることが示されてきた.本研究では,脳卒中亜急性期患者20人が参加し,ランダムに2群に分けられた:一方のグループはNMES(つまり,WalkAide群)を実施し,コントロール群は従来の神経運動リハを行った.両群の治療時間は同じにした.WalkAide群(168±39%)ではコントロール群(129±29%)よりも歩行速度が有意に大きく改善(P=0.032)し,また歩行能力も同様だった(Functional Ambulation Classification score: P=0.023).運動能力と筋力については,統計学的に有意でないまでも改善した(Rivermead Mobility Index: P=0.057; MMT:P=0.059).同様の群間の変化は,日常生活自立度,神経学的評価,痙縮の軽減にもみられた.このような結果は,脳卒中亜急性期の患者で足部の引きずりのある患者に対する,神経刺激装置での歩行訓練の有望な効果を強調するものである.
亜急性期(日本でいうところの回復期)にWalkAideを使用した訓練での予備研究.結果はなかなか有望なものと言える.
この知見が確かめられるにはより質の高い研究が必要になってくるが,脳卒中の患者さんは非常に多様であり,回復期でのランダム化試験や対象の選別は倫理的あるいは方法論的に少々難しいかもしれない.
電気刺激はほぼ無害で,装置は若干高価ではあるものの,他の医療機器に比べれば,法外な金額ではない.このような治療こそ,もっと普及すべきと思われるので,質の高い研究い期待したい.
全文訳はこちら.
パスワードは論文タイトルの単語の頭文字をつなげてください(大文字・小文字を区別して,記号は含めず,10文字目まで).
例:Imagine There's No Heaven. It's Easy If You Try. -> ITNHIEIYT
0 件のコメント:
コメントを投稿