2015年3月12日木曜日

脳卒中患者における歩行速改善に対する機能的・経費電気刺激の治療効果:メタ解析

 
脳卒中患者における歩行速改善に対する機能的・経費電気刺激の治療効果:メタ解析






































目的:脳卒中後の被験者における歩行速度改善に対する機能的電気刺激(FES)と経皮的電気刺激(TENS)でのこれまでの治療の効果を判定する.
データソース:Medline,EMBASE,CINHAL,PubMedのデータベースで1966年から2005年までで検索し,関連文献を得た.
研究の選別:脳卒中後の患者の治療に電気刺激を用いていて,評価項目に歩行速度を用いているものを対象とした.除外となった研究には,多様な神経疾患の被験者を調査した研究,埋め込み電極を用いた研究,電気刺激とトレッドミル訓練の併用の研究があった.著者らの間でのコンセンサスの一致で8篇の文献を選んだ.
データの抽出:固定効果モデルにより,変化の平均を計算し(0.18,95%信頼区間0.08〜0.28),これは有意だった(P<0.01).これは,脳卒中後の患者における歩行速度の向上について機能的電気刺激の有効性が示している.研究ごとの効果量は,FESでは−0.11〜1.43,TENSでは0.19〜0.42.FESとTENSの装置や電極の位置,刺激の時間,対象の回復時期の種類は研究ごとに差があった.
結論:FESは脳卒中後の患者における歩行速度向上に有効である.今後の研究では,脳卒中からの回復の亜急性期の患者で,機能を改善させるような臨床的で利用可能なFESユニットの有効性を調べるべきである.このような研究では,盲検化し,標準的な評価項目を用いたランダム化比較対照試験を用いるように心がけるべきである.




脳卒中後の歩行に対する電気刺激療法のレビューである.
機能的電気刺激は効果がありそうだということと,もう一点は早期から使用すると効果量が大きい,すなわちしない場合と比べた改善幅が大きいということが示唆されていることが興味深い.恐らくは歩行速度だけでなく,歩行の質(歩容や不整地での歩行能力,エネルギー効率など)も改善している可能性が高く,このあたりを評価した研究にも期待したい.


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例:Old MacDonald Had a Farm. E-I-E-I-O -> OMHaFEIEIO

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